3月24日から「マイナ免許証」開始! 一体化のメリット・デメリットは? 紛失や取締りの対応は? ユーザーは疑問だらけ… 前日23日は事務手続き停止に注意も
一体化のデメリットはどんな部分? 警察に取り締まりを受けたらどうなる? 注意すべきポイントとは
このようにさまざまなメリットがある一方、マイナ免許証のみを保有するケースでは「紛失時の再発行に時間がかかる」というデメリットもあります。
もしマイナ免許証を紛失すると、まず市町村役場でマイナンバーカードの再発行を受けてから、警察でマイナンバーカードのICチップに免許情報を記録する手続きをとらなければいけませんが、マイナンバーカードの再発行には原則1週間かかります。
つまりマイナ免許証のみを保有している人は、上記の手続きが完了するまで車両の運転ができません。
ただし、従来の運転免許証は基本的に即日再発行が可能であるため、すぐに運転をしなければならない場合は、その方法を検討すると良いかもしれません。
またマイナ免許証の券面には免許情報がまったく記載されないため、これが原因で「カーシェアリングサービスを利用できなくなるおそれがある」というデメリットも挙げられます。
なぜなら、一般的にカーシェアリングサービスでは会員登録時や免許更新時などにスマートフォンで運転免許証の画像をアップロードする方法を採用しており、免許情報が表記されていないマイナ免許証は利用できないためです。
これにより、現在は多くのカーシェアリング業者が「マイナ免許証と従来の運転免許証の併用」または「従来の運転免許証」で手続きをするようアナウンスしています。
この課題に対しては今後何らかの対策がとられる可能性はあるものの、しばらくはマイナ免許証を利用できないものとみられます。

とはいえ、利用者はマイナ免許証に記録された免許情報を一切確認できないわけではありません。
2025年3月12日からはスマートフォンやパソコンなどで利用できる「マイナ免許証読み取りアプリ」がリリースされており、このアプリをインストールすることで免許情報が確認できます。
具体的にはアプリでマイナ免許証を読み取ると、免許情報が従来の運転免許証の画像で表示されます。
レンタカー業者によっては、この画像を店員に提示することでレンタカーを利用できる場合もあるため、事前にマイナ免許証に対応している業者であるかを確認することが大切です。
ちなみにアプリを使う際には、免許更新時などに登録したマイナ免許証用の暗証番号(4桁)の入力が必要となることから、忘れないようにしましょう。

また、ユーザーからは「マイナ免許証を持ったドライバーの交通取り締まりをどのようにおこなうのか」との疑問も寄せられていますが、これに関し警察庁の担当者は次のように説明しています。
「警察官がマイナ免許証の提示を受けたときは、すでに配備されている携帯端末を用いて免許情報を読み取ることとしています。
その際には、免許保有者が暗証番号を失念していたために警察官が免許情報を確認できないといった事態が生じないよう、国民向けのマイナ免許証読み取りアプリで読み取る場合とは異なり、暗証番号の入力は不要とすることを想定しています」
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マイナ免許証を保有するに当たってはさまざまなメリット・デメリットがあります。
日頃からよくクルマの運転やカーシェアリングを利用する機会があるのか、本人確認書類を1枚にまとめたいかなど、各個人の状況や希望に合わせて選択することが重要といえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。





















