最近の軽自動車が大きく見えるのはなぜ? 売れ筋ジャンルの変化が軽自動車の大型化を促進させた?

車体の工夫で大型化、室内空間拡大を狙う

 近年は室内空間拡大のためさらに背が高くなる傾向があり、たとえば昨年末に登場したスズキ・スペーシアは先代に比べて50mm背が高くなりました。また、スーパーハイトワゴンでもっとも背の高いダイハツ・ウェイクやトヨタ・ピクシスメガではなんと全高が1835mmに達しており、これはホンダ・ステップワゴン(1840mm)と同等です。

ドアノブを埋め込む形に変更したスズキ「スペーシア / スペーシアカスタム」

 しかし、一部の車種では背の高さとは別の理由で大きく見えます。たとえば2017年夏に登場した新型ワゴンRは、全幅こそ1475mmと先代から変っていませんが室内幅が60mmも広がりました。その秘密はドアなどのボディ側面の外板パネルの取り付け位置です。

 軽自動車は全幅1480mm以内という規定があるので今以上に車体幅を広げることはできません。しかし室内幅を広げるには車体の横幅を拡大する必要があります。

 そこでスズキは、従来のドアパネルから外側にはみ出して取り付けていたドアノブを、新型ではドアパネルに埋め込む形で車体に取り付けるように工夫しました。この手法により全幅を変えずに実質的な車体の横幅を広げたのです。そのため側面パネルは先代よりも外側に拡幅され、実質的に車体幅が大きくなりました。

 この考え方は新型ワゴンRに続いて昨年末に登場したスペーシアにも取り入れられています。今後は、スズキだけでなく他社の軽自動車にも広がるでしょう。そうすると、ますます大きく見える軽自動車が街に増えそうです。

【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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