「え…いまのオービス?」 道路上にある「カメラ」の正体は? 見分けつきづらい「オービスとNシステム」の違いは?
Nシステムの目的は「犯罪捜査のため」だった? どういうコト?
では、これらには一体どのような違いがあるのでしょうか。
そもそもNシステムは正式名称を「自動車ナンバー自動読取システム」といい、通過する自動車のナンバーを自動的に読み取り、事件・事故などの手配車両と照合する装置です。
たとえば自動車盗難や自動車を利用した犯罪が発生した際、犯人が使うクルマがNシステムの場所を通過すると警察でその情報を検知し、犯人の追跡に役立てることができます。
なお、Nシステムはあくまで犯罪捜査に利用するための装置であり、速度違反の取り締まりに使われることはありません。
つまり一般的なドライバーであれば、Nシステムの存在をおそれる必要はないといえるでしょう。
とはいえ、Nシステムは高性能カメラが付いた四角い箱型の装置であり、その外観から固定式オービスと混同されやすくなっています。
これらを見分ける方法として、まず装置の大きさや数の違いを確認することが挙げられます。
固定式オービスの方が比較的大きいほか、撮影用のカメラと発光用のストロボがセットになっているなど、複数の機械が設置されているという特徴があります。
それに対してNシステムはコンパクトな形状である場合が多く、また装置が単独で設置されています。

次に、「予告看板の有無」で両者を見分けることも可能です。
一般的に固定式オービスが設置されている区間の手前には、「スピード注意 自動速度取締機設置区間」や「速度自動取締路線」など、オービスの存在を知らせる看板が設置されています。
反対に、Nシステムに関しては犯罪捜査に活用されるという特性上、そのような予告看板はありません。
※ ※ ※
最近は固定式オービスに限らず、神出鬼没な可搬式オービスによる速度違反取り締まりも積極的に実施されています。
可搬式オービスに関しては予告看板が設置されないケースも多いですが、各都道府県警察のホームページやSNSなどでは取り締まり情報を発信しているため、それらを参考にすると良いかもしれません。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

















