全長わずか1.9m! スズキの斬新すぎる「小さい乗り物」がスゴい! 歩道も車道も走れる「スズカーゴ&スズライド」どんなモデル?
簡単に運転できるって本当? 操作方法は?
6:運転は簡単にできるのか? アクセル操作はどうやる?
運転方法は簡単。スロットルレバーとブレーキ、そしてハンドルを操作するだけのシンプルさで直感的におこなえます。ポイントはスロットル操作がバイクのようにグリップを回すタイプではなく、右手の親指でレバーを動かす仕掛けになっていることでしょう。
「まず、年配の人だとグリップを捻ったまま保持するのが負担になることもあります。
それからスズカーゴ/スズライドの場合は車体を倒して曲がっていくバイクと異なり曲がる際にハンドルを大きく切る状況もあり、その際にバイクのようなスロットル操作方法だと手首に負担がかかってしまう。
それを防ぐためにレバー式のスロットルとしています」(西浦さん)
イメージとしては、耕運機といった農機具などによくあるタイプのスロットルレバー。実際に操作してみたところ、違和感は全くありませんでした。

7:安全のための変わった機能がある
なんと、ハンドル操作に連動して減速する制御が組み込まれています。
「“コーナー減速機能”として、ハンドルを切ると自動で減速します。実は弊社のセニアカーにも採用されている技術で、曲がる際に減速することで転倒を抑えようというアイデアです」(西浦さん)
8:タイヤの数以外にも電動キックボードとの違いがある? 「セニアカー」との違いは?
バックできることが大きな違いでしょう。
「電動キックボードに比べると車体が大きく、そのぶん取り回しは劣る部分もあります。そこでバック機能を組み込みました。セニアカーも同様です」(西浦さん)
乗ったまま後方へ下がれることで、乗る人の負担を軽減しているというわけです。
ちなみに、セニアカーは歩道を走ることを前提に作られているので、車道を走れません(上限速度6km/h)。
それが車道を走れるスズカーゴ/スズライドとの大きな違いとなっています。
9:最高速度はどのくらい?
最高速度は2段階切り替え式で、20km/hと6km/hの2パターンあります。
「車道を走る際は上限20km/h、歩道を走る際はスイッチを切り替えて6km/h。これは法律上定められていることで、6km/hに抑えた際は“歩道を走れる”というのがポイントです」(西浦さん)
上限を6km/hにする“亀モード”にすると、ハンドルの外側にあるライトが点滅し「歩道走行OK」であることを周囲に伝えます。
10:ズバリ、市販を考えているのか?
市販を視野に入れた開発を進めていますが、市販化が決まっているわけではありません。
「ショーに参考出品した車両も道路法保安基準を満たすように作られています。これをさらに進化させたものを、量産を目指していま開発しているところです」(西浦さん)
※ ※ ※
実際にスズカーゴ/スズライドに試乗した印象は「簡単に運転できて気軽に移動できる」というものでした。
人間、誰もが年を重ねてクルマを運転できなくなる時が来ます。
そういった高齢者の移動をどうするかは、これからの高齢化社会にあたり解決しなければならない問題のひとつ。気軽に利用でき、転倒しにくい(加えてクルマやバイクに比べて加害性も少ない)スズライドはその解決手段の一つになり得ると実感しました。
また、スズカーゴは商用からレジャーまで幅広く活躍しそうな予感。こちらも発売に期待したいところです。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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