ホンダ「ゴールドウイング」に“ストリートファイターモデル”あった!? 独自の「水平対向6気筒」エンジン&“カウルレス”ボディが超カッコイイ! 幻のバイク「EVO6」コンセプトとは!
ホンダの二輪車におけるフラッグシップモデルとして知られる大型ツアラー「ゴールドウイング」。そんなゴールドウイングにストリートファイターモデルができたらどのようなバイクになるのでしょうか。
ゴールドウイングのストリートファイターモデル!?
ホンダは2007年9月、千葉・幕張メッセで開催された「第40回東京モーターショー」(現・ジャパンモビリティーショー)において、「Find Your Wings」をテーマに、多彩なエンジンバリエーションとそれらを搭載した個性的なモデルの展示を行いました。
ブースには、ワールドプレミアモデルやジャパンプレミアモデルなど全33台ものバイクが展示されていました。

その中で圧倒的な存在感を放ち、注目を集めたコンセプトモデルの1つが、ホンダ「EVO6(エヴォシックス)」です。
当時、ホンダのツアラーには「ゴールドウイング」があり、水平対向6気筒エンジンが採用されていましたが、スポーツクルーザーに搭載されたモデルはありませんでした。
EVO6は、この1832cc水平対向6気筒エンジンをベースに、よりスポーティな走りを想定したコンセプトモデルとして登場しました。
スタイリングは「Pride Fighter」をコンセプトに、ネオクラシックと近未来的な要素を融合。フロントにはY字型LEDヘッドライトを採用し、シャープなフレームカバーがスポーティさを強調します。力強いタンクデザインは筋肉質な印象を与え、ショートテールデザインがリア周りを引き締めています。さらに、ブラッククローム処理が施された6本から3本に束ねられたエキゾーストパイプや3本出しショートマフラーが、ダイナミックなスタイルを演出していました。
このデザインは、当時のスポーツクルーザーとして発表されたものの、現在の視点ではストリートファイター的な要素も持つといえるでしょう。ストリートファイターとは、フルカウルのスポーツバイクをカウルレス化し、アグレッシブなデザインとアップライトなライディングポジションを組み合わせたスタイルです。EVO6もシンプルなネイキッドスポーツのようなデザインとパワフルなエンジンを組み合わせ、ストリートファイター的な特徴を備えていました。
ハンドルはワイドなバーハンドルを採用し、クルーザーながら優れたコントロール性を実現。当時では珍しいデジタルメーターが搭載され、タンク側には回転数や燃料残量、水温計を表示するメーターが配置されていました。スポーツバイクのようなバックステップ配置により、アグレッシブなライディングも可能な設計でした。
足回りは、フロントに倒立フォーク、リアにはリザーバータンク付きツインサスペンションとプロアームを採用。ホイールは17インチアルミ製で、リアには220mm幅のワイドタイヤを装着し、高い直線安定性を実現しています。フロントにはダブルディスクブレーキとNISSIN製キャリパーを採用し、前後輪連動ABSを搭載することで、高い制動力を確保していました。
パワーユニットは、ゴールドウイング譲りの1832cc水平対向6気筒エンジンをベースに専用チューニングが施されたエンジンを搭載。クルーザーでありながらスポーティな走行フィールを実現していました。トランスミッションは、2種類のフルオートマチックモードに加え、手元のボタン操作で変速可能な6速マニュアルシフトモードを搭載。
ホンダEVO6は、水平対向6気筒エンジンを搭載した未来志向のスポーツクルーザーとして注目を集めたものの、市販化には至りませんでした。その斬新なデザインと圧倒的なパワーユニットは、今なお多くのバイクファンの記憶に残っています。もし実際に販売されていたならば、ネオクラシックなスタイルとパワフルな走行性能を兼ね備えた、唯一無二の存在になっていたことでしょう。
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