2024年「一番盗まれたクルマ」は何だった? 3位まで「全部トヨタ車」… 愛知・埼玉・千葉は「特に警戒」必要です! どんな対策が必要? 最新の「クルマ盗難」ワーストランキング発表

日本損害保険協会による最新の「自動車盗難事故実態調査」の調査結果が発表されました。どのようなクルマが盗まれ、どういった地域で多発しているのでしょうか。

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 日本損害保険協会は2025年3月3日、第26回「自動車盗難事故実態調査」を実施し、結果を発表しました。
 
 最新の盗まれやすい車種や地域の状況が明らかになっています。

単純な対策で犯人も諦める!(画像:PIXTA)
単純な対策で犯人も諦める!(画像:PIXTA)

 調査は2024年の1月1日から12月31日まで実施。対象は損害保険会社21社のうち、全国で発生した自動車の車両本体盗難事故および車上ねらい(部品盗難含む)事故で、調査期間内に自動車盗難事故が発生し、保険金の支払いを行った事案です。

 まず、車名別盗難状況ではトヨタ「ランドクルーザー」が688件で最多でした。

 次いで、トヨタ「アルファード」289件、トヨタ「プリウス」235件、レクサス「LX」109件、レクサス「RX」89件と続きます。

 ランドクルーザーは4年連続盗難数ワースト1位で、車両本体盗難全体に占める割合は27.5%と、車両本体盗難の4台に1台以上を占め、車両本体盗難の被害が特定の車種に集中する傾向が一層強まっているとしています。

 車両本体盗難の支払件数の多い都道府県は、1位が愛知県の515件で、車両本体盗難全体に占める割合は20.6%です。

 以後、2位が埼玉県の357件、3位が千葉県の261件、4位が茨城県の185件、5位が神奈川県と大阪府の179件と続いています。

 ことしは埼玉県が12年ぶり(2012年以来)にワースト3にランクイン。その一方、大阪府が2014年以来10年連続となっていたワースト3から脱却しました。

 また、車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は、2024年では281万5000円でした。これは2023年と比較して約20%上昇で、近年、盗難上位車種のフルモデルチェンジが行われ、高機能な安全装置が標準装備されたことにより、車両価格が上昇したことが考えられるとしています。

※ ※ ※

 未だに自動車盗は発生しています。警視庁が発表した最新の2025年(令和6年)自動車盗認知件数のデータでは6080件と、ピークだった2003年の6万4223件から大幅に減少したとはいえ、単純計算で1日あたり約17台が盗まれています。

 近年の自動車盗は、車種や地域を問わない通り魔的な犯行ではなく、一部地域の、ごく一部車種に集中しているといった「車種・地域限定型」の犯行になっている傾向にあります。

 これは、盗んだクルマを海外輸出して中古車として売りさばくのが目的であるため、狙いを定めてピンポイントで犯行におよぶからです。

 そして売ったクルマは海外で売りさばくのが目的なので、窃盗団がターゲットにするのは海外でニーズが高いモデルに集中しています。

 特にワーストランキング入りしている、ランドクルーザーやLX、アルファードは豪華なクルマが支持される中東地域で非常に人気であり、価格も高いために利益になりやすく、多発しています。

 いっぽう、東南アジア地域では実用の道具としてプリウスやトヨタ「ハイエース」が人気で、こういった地域への輸出を目的とした盗難も発生しています。

 さらに、映画やマンガなどを発端とする国産スポーツカー人気により、トヨタ「スープラ」や日産「スカイラインGT-R」「シルビア」、マツダ「RX-7」、三菱「ランサーエボリューション」、スバル「インプレッサWRX」なども多数盗難されています。

 また、近年は窃盗団による盗難の手口も巧妙かつ悪質になっています。これは新車にセキュリティや盗難防止装置が標準となっていることに加え、クルマの高機能・多機能化も影響しています。

 特に、新車に装備される「スマートキー」から常に発生される微弱無線電波を悪用し、専用の電波増幅器を使って遠くにあるキーと車両を「中継(リレー)」し、あたかもキーが手元にあるように認識させてロックを解除する手口が横行。

 さらに、今はクルマに多数のセンサーやコンピューターが備わっていることから、車体の一部を無理やりこじ開け、内部のパーツ接続用配線に違法な「CANインベーダー」という機器を割り込ませ、ハッキングしてロック解除とエンジン始動を行う例もあります。

 こうした「電脳犯罪」のような手口に関しては、結局のところ「物理的にクルマを出せないようにする」という方法が一番最適です。

 つまり、「ハンドルロック」や「タイヤロック」といった、破壊するには現実的でない強固な固定装置を使うことが挙げられます。

 このほか、クルマの標準品のセキュリティとは異なる「社外セキュリティ」を用いて、かすかな振動や音、人の動きなどを逐一報告してくれるシステムを導入したり、秘密の操作をしなければエンジン始動ができない「電子制御」も有効です。

 さらに、盗まれたとしても、一刻も早く発見できるように、窃盗団が気付かないように車内にGPSを仕込むこともクルマを取り戻す確率が上がります。

 クルマの保管場所も、シャッター付きガレージや人目につく駐車場を選んだり、防犯カメラやセンサーライトを設置して、「盗んだら目立ちそうだな」と思わせたり、クルマにボディカバーをかけ、窃盗団が盗みたいクルマかどうかを隠すことも重要です。

 自動車盗は出先で狙われる可能性もあるほか、一度目を付けられると、車体下にGPSを取り付けてクルマの在り処を特定する悪質な窃盗団もあるため、そういった機器がないかも定期的にチェックするとよいでしょう。

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