「見たことない!」 激レア“本格SUV”「イネオス グレナディア」ってどんなクルマ? ついに日本登場した「カクカクSUV」の実力は?

激レアすぎるグレナディア実際どんな感じ?

 今回、わずかな距離ではありましたが、一般道を走行する機会を得ました。ボディサイズは全長4896mm×全幅1930mm×全高2036mmで、旧型ディフェンダー「110」とほぼ一緒。車両重量は2724kg(ガソリン車は2644kg)で、ランドクルーザー70よりも300kgほど重くなっています。

BMWエンジン搭載!
BMWエンジン搭載!

 ディーゼルエンジンのスペックは、最高出力249ps/3250-4200rpm、最大トルクは550kw/3250-4200rpm。オフロードでの走りやすさを考えて、3250rpm以上はフラットパワー&トルクという出力特性になっています。パワースペック的には70系よりもわずかに勝っていますが、車重があるためか発進直後のフィーリングには俊敏な感じはありません。

 また、サスペンションは硬めのセッティングで、舗装路の高速移動も十分に考慮している様子。オフロードでの脚の伸びはそこまで期待できないかなと思いましたが、カタログスペックでのホイールトラベル量は585mm。現地のカタログを見ても、リアタイヤが大きくクロールしている写真が掲載されているので、意外と動くのかもしれません。

 現地メディアの評価によれば、「基本的なオフロード走行の知識を持っていなければ、多数の機能を使いこなしことはできないかもしれない」としており、さすがは冒険実業家が自分で乗るために造ったオフローダーという感じがします。

 また悪路で様々な機能を駆使するには、コドライバーが必要だと現地メディアは記しています。

 ちなみに今回乗った車両は2シーターである「ユーティリティワゴン」というグレードに後席をプラスしたもので、この他にクオーターウインドウが付いた5人乗りの「ステーションワゴン」、アパレルブランドとコラボした「ステーションワゴン・ベルスタッフエディション」があります。ボディ形状は、ワゴンとダブルキャブピックアップの2種類。

 ちなみに現地価格で約990万円から約1090万円。今回取材に協力してもらった神奈川県のカスタムカーショップ「ザ・チェックショップ」によれば、日本では輸送費やガス検査代を含めて1200万円から1400万円くらいになるだろうということでした。

 Gクラスほど日常での汎用性が高いクルマではありませんが、造りは非常によくできており、旧型ディフェンダーほどチープでもありません。

 オフロードをこよなく愛する人向きという敷居の高さはありますが、普段使いにも十分耐えうる性能です。ランドクルーザー70と比べると高額なモデルですが、Gクラスにも劣らぬ満足感がこの価格で得られるのなら、むしろ安いと言えるかもしれません。

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Writer: 山崎 友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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