日産…頑張れ! どうすれば「王者ニッサン」返り咲きできる? アメリカの「新型SUV」3車種好調&「シルフィ」がヒント? どんなクルマが必要なのか考えてみた
日産が苦境に立たされています。しかし、商品力の強いモデルがないわけではありません。日産が復権するには、どういったクルマが必要になるのでしょうか。
日産頑張って! どうすれば「苦戦」を打破できるのか
2025年2月13日、日産は2024年度第3四半期決算を発表しました。
売上高は9兆1432億700万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は640億1000万円(同86.6%減)。純利益は51億4800万円(同98.4%減)とし、世界全体での販売台数は前年同期比4万4000台減の239万7000台を記録しました。

主要市場である中国、日本、欧州における小売販売台数実績(2024年度累計)はそれぞれ9.1%、2.6%、2.6%の減少を経験するなど、これまでにない非常に厳しい状況に立たされています。
その一方、割合を多く占める北米では2.4%(230万台)の増加。これがマイナス分を補てんする形となり、トータルでは前年比でマイナス1.8%に抑え込んでいます。
ここで、大幅な減少があった中国の2024年暦年の車種別新車販売台数ランキングを見てみると、意外にも日産が中国で販売する4ドアセダン車「シルフィ」は、34万2395台を売り上げ、第5位にランクインしています。
1位はテスラ「モデルY(BEV=バッテリーEV:電気自動車)」、2位はBYD「秦PLUS(PHEV=プラグインハイブリッド)」、3位はBYD「シーガル(BEV)」、4位はBYD「宋PLUS(BEV・PHEV)」と、電動モデルだらけな中でシルフィは十分健闘しているといえるでしょう。
ちなみに第6位はフォルクスワーゲンと上海汽車の合弁「上汽フォルクスワーゲン」が製造・販売するセダン「ラヴィダ」となります。
トヨタの車種はトップ10にランクインしていませんが、兄弟車関係の「カローラクロス」と「フロントランダー」を合算したら合計39万5839台となり、ランキング第5位に位置するモデルとなります。
一方、ここ数年のランキングを見るとシルフィのシェアは減少傾向にあります。
2017年は40万5854台で第5位でしたが、その後は2020年にかけて台数を増やし、販売台数は53万8680台と過去最高の台数を記録。
しかし、2021年ごろからBYDといった安価な国産EVが台頭しはじめ、2021年では50万150台、2022年は43万6072台、そして2023年には37万5794台と大幅な下落を見せています。
これには中国新興メーカーの急成長から来る日本メーカー全体のシェア低下もありますが、これに加えてシルフィにはまともなBEVやPHEVモデルが設定されていないことも、販売苦戦の要因のひとつだろうと考えられます。
現在販売されているシルフィは、2019年にデビューした現行型(B18型)のガソリンモデルに加え、エンジンで発電した電気で駆動する「e-POWER」、そして2012年に登場し、日本でも販売されていた先代(B17型)「シルフィ クラシック」の主に3種類です。
ちなみに、2018年には先代をベースとしたBEVモデルも発表されましたが、ほどなくしてB18型が発表されたため、古いイメージが拭えず、販売はそれほど好調ではありませんでした。
中国メーカーの安価なBEVセダンが台頭して数年が経ちますが、日産はその間、こうした新興メーカーの新型車に対抗できるBEVの投入を怠ったことが、結果としてこのような業績悪化を招いたといっても過言ではありません。
日産は2024年通年で中国市場にて69万6631台を販売しましたが、これは前年比12.2%減という数字。
今の状況は、いうなれば「シルフィの35万台でなんとか業績を保っている」という状態で、このラインナップに変化がなければ、今年以降もさらに下降線をたどることになるでしょう。
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