視界良いのに「フォグランプ点灯」違反になる? よくみる「フォグ+スモール」はどうなる? そもそも「フォグ」って何語ですか? 正しく活用したい「謎のランプ」とは

実際どうなのか

 このように、フロントおよびリアフォグランプともに、悪天候時に使用することを前提に設計・装着されています。

 ただし、実際のところはヘッドライトやブレーキランプのように、すべてのクルマにとって装着が義務づけられているものでもありません。

 保安基準でもフォグランプはいわゆるヘッドライト(前照灯)やスモールランプ(ポジションとも・正式には車幅灯)とは違う灯火として位置づけられています。

 標準装備されているクルマがあるいっぽうで、オプション設定だったり、装着自体が不可といったモデルがあるのもそのためです。

フォグランプは濃霧のときに使うのが正しいです(画像:PIXTA/イメージです)
フォグランプは濃霧のときに使うのが正しいです(画像:PIXTA/イメージです)

 では、平時にヘッドライトとフォグランプを点灯させた状態で走行することは、何かの違反になるのでしょうか。

 道路交通法には、「必要のないときにフォグランプを点灯させてはならない」という明確な文言はありません。つまり、結論からするとフォグランプを点けること自体は特に違反にはならないのです。

 ただし、フォグランプを点灯させたことで、対向車のドライバーにまぶしいと感じさせれば、道路交通法第52条の2に違反する可能性もあります。

 同法では以下のように明言されており、違反として取り締まりを受ければ「減光等義務違反」として、違反点数1点、普通車は6000円の反則金が課せられます。

「他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」

 ときどき、非常に明るいLED式やHID式のフォグランプを点灯させているクルマがいますが、ほかの迷惑になっているのであれば、十分違反になりえます。

 さらに、ロービームやハイビームを点灯しなければならない夜間に、スモールライトとフォグランプのみを点灯させた状態で走行するクルマを見かけることがあります。

 実はこれ、「無灯火」と見なされるため違反として検挙される可能性があるのです。先出の通り、フォグランプはヘッドライトやスモールランプではないからです。

 その際、普通車の場合、違反点数1点と反則金6000円の罰則が適用されます。

 悪天候時に非常に役に立つフォグランプ。ただし、本来の機能や役割を正しく理解しないと、周囲の迷惑になることもあります。しっかり理解したうえで、正しく活用することが望ましいでしょう。

【画像】「えっ…!」 これがフォグランプの「正しい使い方」です! 画像で見る(33枚)

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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