フォルクスワーゲン「新ゴルフ」登場! 光る「VWエンブレム」&最先端インフォテイメント採用! 世界の「ハッチバックのベンチマーク」何が変わった? ディーゼルモデルに乗ってみた!【試乗記】
実用車ではなく「プレミアムエコノミー」な質感
さて、パワートレーンはガソリンとディーゼルがあり、ガソリンモデルでは従来Activeに搭載されていた1リッター3気筒が廃止となりました。
今回、Active系、Style、R-Lineのすべてが48Vマイルドハイブリッドシステムを採用する1.5リッター4気筒となり、制御によって出力が異なるユニットとなっています。
Activeは3気筒から4気筒へアップグレードしており、最高出力/トルクではそれぞれ4kW/20Nmアップの85kW/220Nm。StyleとR-Lineは110kW/250Nmとなっています。
ちなみに従来はなかったベースグレード「Active Basic」が設定されており、ナビはありませんがシートヒーターやステアリングヒーター、アルミホイールやリアビューカメラなど、装備も充実。
しかもガソリンモデルでは、350万円を切る349万9000円というお買い得感のある価格設定。出力はActive同等です(価格は消費税込み)。
ディーゼルモデルは110kW/360Nmの2リッター4気筒となり、Active Basic、「Active Advance」、Style、R-Lineが用意されています。

今回の試乗車はディーゼルモデルのActive Advance。8世代目のゴルフで初めて採用された最新世代の「TDI」エンジンで、新技術としてツインドージング(デュアルAdblue噴射)システムを搭載したことで話題となりました。
これは、直列に配置した2つのSCR触媒コンバーターからAdBlueを注入するため、NOxの排出量が先代比最大80%削減されるとともに、低い回転数から最大トルク・最高出力を発揮してレスポンスを大幅に向上しているクリーンディーゼルエンジンです。
スタートボタンでエンジンを始動すると、ディーゼル特有の“ガラガラ”音は室内にいる限りかすかに響いてくるくらいで、とても静か。
アクセルを少し踏み込めばそのかすかな音もなくなり、驚くほどの余裕となめらかさで加速していきます。
長い直線では悠々として伸びやかな気持ちよさがあり、そこにビシッとした剛性感のあるボディが頼もしい安心感を添えているよう。
新車ということもあって接地感はやや硬めですが、道路の継ぎ目などを越えてもタタッと小気味のいい収まりを見せ、上質感があるのにキビキビとした爽快感もある、真面目なだけじゃないフトコロの深さを感じさせてくれました。
正式なアナウンスではディーゼルモデルの変更点はないのですが、エンジンの伸びやかさや乗り心地のよさなど、全体的なバランスが熟成されている印象。
ディスプレイで選択できる走行モードは「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「カスタム」があり、通常は「エコ」か「コンフォート」が扱いやすく、「スポーツ」にすると少しエンジン音が勇ましくなって高回転まで引っ張って元気よく走れます。
意外だったのが、ステアリングスイッチがタッチ式からプッシュボタン式に戻されていて、馴染みのある使い心地だったこと。
今回は都心部の一般道と首都高のごく短い区間のみの試乗だったので、機会を見てロングドライブをしてみたいと後ろ髪をひかれました。
帰路では後席でも試乗してみると、すっぽりとした包まれ感がありながら足元も頭上もゆったりとしたスペース。
路面の凹凸は伝わってくるものの、それが不快ではなく落ち着いた乗り心地で安心感があります。
前席よりはややCピラーあたりからのノイズが入ってきますが、会話が邪魔されるほどではなく、これならファミリーでも快適に過ごせるはず。
ラゲッジもこのクラスとしては大容量の381リッターを確保し、6:4分割で最大1237リッターまで拡大するとともに、中央にトランクスルー機能があって長尺物を通すこともできます。
こうして試乗してみて、基本性能はしっかり守りつつ、「本当の使いやすさとは何か」を見極め、細やかな配慮でアップデートしてきていると感じました。
もはや単なる「実用車」と呼ぶにはあまりに快適で、気持ちに余裕を持たせてくれる新しいゴルフは、飛行機でいうところの「プレミアムエコノミー」より一歩、ビジネスクラスに近づいたコンパクトハッチバックといえます。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。