トヨタに「最新型のクラウン“マジェスタ”」あった! 5年ぶり復活の最上級モデルは「344馬力の高性能ユニット」×ヘッドアップディスプレイ採用! 懐かし車名がサウジ仕様で存在
トヨタ「クラウン」の最高級モデル「クラウンマジェスタ」が、海外で復活していたのです。どういうことなのでしょうか。
まさかの「最新クラウンマジェスタ」 やっぱり高性能だった
トヨタ「クラウン」シリーズは1955年に登場後、日本を代表する高級乗用車としての系譜を歩み、現行型は16代目に進化しています。
このクラウンシリーズのうち、1991年から2018年までは最高級モデルの「クラウンマジェスタ」がラインナップされていましたが、実は現行型でも「マジェスタ」の名前を冠するモデルが存在します。

クラウンマジェスタは、1991年に当時の9代目クラウンから独立する形で追加された最高級モデルです。
登場前夜の1989年9月、先代の8代目クラウンでマイナーチェンジが実施。現代のマルチインフォテインメントシステムに相当する「エレクトロマルチビジョン」や、当時非常に画期的なヘッドアップディスプレイなどの最先端技術と、新開発のV型8気筒DOHC高出力エンジンを搭載するトップグレードが新設定されました。
その直後、特別な「センチュリー」を除いたトヨタブランドの最高峰車種として「セルシオ」が翌月の10月にデビュー。
クラウンの系譜とは全く異なる新規開発車種で、日本的な高級車を目指したものではなく、欧州の高級セダンを視野に入れ、米国では高級ブランド レクサスの立ち上げ役を担うなど、非常に気合の入ったものとなりました。
しかしこれで、トヨタブランドを牽引するニューモデルのセルシオと、従来から安定した信頼を受けるクラウンとの間で差が広がっており、これを埋めるために設定されたのが最高級モデルを担うクラウンマジェスタでした。
セルシオ登場直前に突発で設定された8代目のV8エンジン搭載トップグレードの流れを受け継ぎ、同じハイパワーV8の「1UZ-FE」ユニットを搭載しつつ、ボディやシャシは専用設計。歴代クラウンで継続してきたペリメーターフレームを廃し、初めてモノコックボディを採用しました。
ボディサイズも、全長4900mm×全幅1800mm×全高1420mmと堂々たるもので、デザインもコンサバティブな通常のクラウンとは違って丸みを帯び、ピラードハードトップのかたちも相まって、近代的で流麗なデザインとしています。
以後、セルシオともクラウンとも異なる位置づけでラインナップされており、V8エンジンも継続搭載。3代目からは標準のクラウンと同じプラットフォームを採用し、ハードトップの形状が廃止になります。
そして、5代目からはクラウンマジェスタ登場のきっかけとなったセルシオがレクサスブランドの「LS」に移行。
最終型の6代目では、クラウンマジェスタ専用ボディがついに廃止され、デザインを含めて標準の14代目クラウンとの差が非常に縮まり、V8エンジンもなくなるなど、マジェスタらしさが失われています。
2018年には、クラウンのモデルチェンジに伴って、クラウンマジェスタは廃止されたのです。
2022年、16代目の新型クラウンシリーズが発表され、従来の「セダン」に加え、「クロスオーバー」「スポーツ」「エステート」の計4タイプ展開となりました。
ただし、クラウンマジェスタの再登場はかないませんでしたが、実はサウジアラビアで2023年、16代目クラウンの最上級グレードの名称として「マジェスタ」が使われました。
5年ぶりに復活したマジェスタは、日本仕様車のクラウンクロスオーバーの「RS」グレードに相当するトップグレードで、パワートレインは344馬力を発揮する2.4リッター4気筒のデュアルブーストハイブリッドの高性能タイプです。
エクステリアでは21インチホイールを採用し、機能装備ではパドルシフトやパワーバックドア、ドアのイージークローザーを標準とするなど、上級モデルらしい充実した内容になっています。
奇しくも、マジェスタには下位グレード「プレミアム」にはオプション設定もないヘッドアップディスプレイが標準装備されており、この点においてもかつてのクラウンマジェスタと共通性を感じずにはいられません。
サウジアラビアにおけるクラウンマジェスタの価格は、21万1140サウジアラビア・リヤル(約847万円)で、プレミアムよりも4万1975サウジアラビア・リヤル(約168万円)高となっています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿や、URLを記載した投稿は削除する場合がございます。