富士山五合目へスイスイ!? 夢の公共交通「富士トラム」いよいよ本格検討へ!? 富士スバルラインを「すごい電気車両」に転換 一般車完全封鎖で「地獄の登山混雑」根本解決めざす
山梨県は2025年度予算案の概要を公表。そのなかで、有料道路「富士スバルライン」を活用した新たな公共交通システム「富士トラム」をはじめとする検討に関し、予算を拡充するとしています。一体どのような交通機関で、話はどうなっていくのでしょうか。
「まるで電車」公共交通誕生へ
山梨県は2025年度予算案の概要を公表。そのなかで、有料道路「富士スバルライン」を活用した新たな公共交通システム「富士トラム」をはじめとする検討に関し、予算を拡充するとしています。
一体どのような交通機関で、話はどうなっていくのでしょうか。

この計画は、富士山への登山ルートのうち、山梨県の富士吉田ルートの入口となる「富士五合目」までの移動手段について、富士スバルラインを公共交通用の空間へ転用するものです。
富士スバルラインは1964年に開通。登山ラッシュとなる夏季シーズンには、マイカー規制が実施されます。
富士山は世界的に注目され、訪問者が増加傾向にあります。その大きなきっかけとなったのが2013年のユネスコ世界遺産への登録です。
人気が世界的に爆発しましたが、実は登録時点から「人の多さ」「環境負荷の大きさ」「人工的景観」について改善すべきという“宿題”が課されていました。しかし事態は「オーバーツーリズム」と呼ばれる破滅的な状況になりつつあり、混雑やゴミ問題だけでなく「世界遺産取り消し」の懸念も現実味を帯びています。
その抜本的な解決について、山梨県は「来訪者コントロール」にあるとしています。
来訪者コントロールの決め手として計画されているのが、富士スバルラインの「トラム転換」です。
まずは有料道路を「軌道法」で規定される線路内扱いに変更して、一般車を完全シャットアウト。基本的に公共交通システムだけで富士五合目までの移動をまかなうこととします。
「富士トラム」は予約制にして、一日あたりの富士五合目訪問人数を完全に限定します。
道路をそのまま使うため、「富士山の環境破壊」という懸念は当たりません。
2021年からしばらくは「元道路に線路を敷いて、低床電車を走らせる」という「富士山登山鉄道」が検討されてきましたが、それでもやっぱり「富士山の環境破壊」という声が多かったため、2024年に方針を転換。線路すら引かない「電気バス」スタイルのゴムタイヤトラムで検討再開しています。
バスなのに軌道法? という疑問があるかもしれませんが、法律運用上は、自動運転のために路面に引く「磁気マーカー、白線」も軌道とみなすことができるのです。
さて、2025年予算では、そんな富士トラムの検討事業がさらに拡充されます。
まず「富士山観光エコシステム整備推進事業費」として約5700万円が計上。新規取り組みとして「富士トラムの運行ルートや必要な施設、採算性等の検討、意見交換会の開催等」をおこなうとしています。
関連して新規事業「広域的公共交通ネットワーク再編事業費」では「リニア開業や富士トラム構想の実現を見据え、本県の公共交通網の再編に向けた取り組み」のために「公共交通網再編研究会の開催 人流データの取得・分析等」をおこなうとし、約4200万円を計上しています。
新たな「富士トラム」としての検討再出発で、2025年度は最初の本格的な1年になります。一体どのような基礎計画へ仕上がっていくのか、今後の動向に注目です。
あほやん。大量輸送課置ぬな電車(トラム)にしたら、余計混むわ
訂正:あほやん。大量輸送可能な電車(トラム)にしたら、余計混むわ
訂正:あほやん。大量輸送可能な電車(トラム)にしたら、余計混むわ