雪面の飛び魚!? “セリカGT-FOUR”から継承した4WDが凄い! 進化版「GRヤリス」でMT&DATを試してみた!【試乗記】

冬の苗場と言えばユーミンのコンサートが行われることでも有名です。そんな苗場でTOYOTA GAZOO Racingがイベントを開催。そのなかにはメディア向けの試乗会も行われました。そこでは映画「私をスキーに連れてって」仕様のトヨタ「セリカGT-FOUR」が披露され、そしてその進化を受け継ぐ「GRヤリス」の雪上試乗も行いましたが、果たしてどのような印象だったのでしょうか。

激走“私スキセリカ”に負けないように「GRヤリス」で雪上を走ってみた!

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、冬の苗場スキー場の風物詩ともいえる「松任谷由実 SURF&SNOW in Naeba Vol.45」に協賛。

 2025年2月6日から20日にかけて、同スキー場でさまざまなイベントを開催しました。

 なぜ、TGRとユーミンがコラボするのでしょうか。それは今から38年前となる1987(昭和62)年に公開された映画「私をスキーに連れてって(通称:私スキ)」での繋がりがキッカケです。

進化版「GRヤリス」を雪上で体感!
進化版「GRヤリス」を雪上で体感!

 この映画の内容は、池上優(原田知世)と矢野文男(三上博史)がゲレンデで出会いを果たすと言う典型的なラブストーリーですが、劇中には様々な流行スポットやファッションが散りばめられていましたが、その中でも注目だったのは劇中車両です。

 矢野の中学時代からのスキー仲間である真理子(原田貴和子)とヒロコ(高橋ひとみ)の愛車として登場したトヨタ「セリカGT-FOUR(ST165)」は、劇中ではユーミンの「Blizzard」の曲に合わせて4WDのメリットを活かしたアグレッシブ(!?)な走りを見せつけました(何とトヨタの広報車が貸し出されて使用されたそうです!?)。

 そんな事から、当時“新人類”と呼ばれた世代にとっては「私スキ、セリカGT-FOUR、ユーミン」は切っても切れない関係なのです。

 ちなみに今回のコラボに合わせてトヨタはセリカGT-FOURをレストア、私スキ仕様のレプリカを製作しています。

 当時を知る人は、車両に貼られたステッカーやルーフのスキー板なども精巧に再現されていることが解ると思います。

 なお今回の試乗会冒頭では、ゲストとして来ていた勝田範彦選手が私スキ仕様のセリカGT-FOURで雪舞うデモランを披露してくれました。

勝田範彦選手が助手席に高橋TGRプレジデントを乗せて、セリカGT-FOUR(私スキ仕様)で雪舞うデモランを披露
勝田範彦選手が助手席に高橋TGRプレジデントを乗せて、セリカGT-FOUR(私スキ仕様)で雪舞うデモランを披露

 そんなトヨタのスポーツ4WDは、セリカGT-FOURから空白の20年を経て、GR-FOUR搭載の「GRヤリス」に受け継がれています。

“勝つ”ために生まれたGRヤリスの戦うステージはサーキットのような舗装路だけでなくダートや雪上と言った非舗装路も。

 特に非舗装路路面μが低いためタイヤのグリップに頼ることができず、クルマの素性が求められました。

 発売後も開発は続けられ「壊しては直し」を繰り返してきましたが、その成果を直接的にフィードバックされたモデルが、2024年に登場した「進化型」になります。

 筆者はその伸び代に驚き、従来モデルから買い替えを行なったユーザー1 人ですが、その進化をより理解するために、苗場プリンスホテル近郊に作られた特設コースで試乗を行なってきました。言うなれば「私を四駆で走らせて」と言う感じです。

 特設コースは直線→ヘアピン→S字と言う単純なレイアウト(約300~400m)ですが、コース幅は車幅×2程度かつ周りは雪壁でエスケープはゼロと無理は禁物です。

 まずはDATモデルから試乗します。

 VSC:OFF、AT:Dレンジ、ドライブモード:SPORT、4WDモード:TRACK(60:40~30:70に可変)をセレクト。ストレートで100km/hくらいまで加速→ブレーキングでコーナーに進入すると、「あれっ、良く曲がるぞ」と。

 従来モデルは操舵してからノーズがインを向くまで我慢が必要だったのに対して、進化型はまるで吸い込まれるようにインを向くので舵角は最小限でOK。

 イメージ的にはステアリングではなくアクセル(=駆動)で曲がる印象で、結果として「力づく」ではなく「素直」なコーナリングなのです。

 そこからコーナー脱出ですが、リア蹴りだしを感じながらの安定したトラクションを実感します。

 そこからS字に向けてスライド気味に進入しますが、そこから振り返した時の挙動変化が予想しやすい上に過度な動きも抑えられているので、クルマの動きはゆっくりに感じたくらい。その結果、コントロールの幅は増えており 手の内感も増していると感じました。

今回はMTとDATの両方を乗り比べ!
今回はMTとDATの両方を乗り比べ!

 一方、4WDモード:GRAVEL(53:47)はTRACKよりも前荷重を意識してコーナーに進入する必要はありますが、クルマの向きさえシッカリ変える事ができれば、後はアクセルコントロールでフロントが上手に引っ張りながら旋回してくれるので、ムダな挙動を抑えた速いコーナリングが可能です。

 逆に4WDモード:NOMAL(60:40)は挙動変化は抑えらている上にアクセルONでフロントがグイグイ引っ張るので、とにかく安定方向のハンドリング。

 実は4WDモード:TRACKだと思ってNOMALを選択して走りましたが、S字でスライドコントロールを試みるとフロントが予想以上に引っ張ってしまい逆にアンダーオーバーを誘発、雪壁に突進してスタック。

 完全に筆者のドライビングミスですが、これくらい走りに差がでます。

 これはGR-FOURの駆動制御の進化に加えて、基本素性(ボディはスポット溶接打点を約13%増加、構造用接着剤の塗布部位を約24%拡大。

 走行中のアライメント変化の抑制のためにボディとショックアブソーバーを締結するボルトの本数を1本→3本に変更。サスペンションのセットの見直しなど)の相乗効果により、4輪の接地性がアップした事も寄与しているはずです。

【画像】超かっこいい! これが「進化版」です。画像を見る!(27枚)

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