Theottleが、ダイハツ「ハイゼットカーゴ」をベースにトヨタのコンセプトカー「KAYOIBAKO」の市販モデル予想CGを作製しました。

　自動車メーカーが未来のモビリティの在り方を提案する「コンセプトカー」。近年では「ラストワンマイル」に着目したコンセプトカーが発表されています。

　トヨタは2023年開催の「ジャパンモビリティショー 」で「KAYOIBAKO（以下、カヨイバコ）」という車名のコンセプトカーを初披露、ラストワンマイルの物流問題を解決するソリューションが提案されました。

　カヨイバコの車名は、物流業界で「通い箱」ないしは「通函（カヨイバコ）」と呼ばれる拠点間を行き来する製品やパーツなどを安全に効率よく運ぶための箱の名を由来としています。

　通い箱は、拠点間を往復する輸送で用いられ、プラスチック、木、段ボールなどさまざまな材質で作られ、それぞれの物流で使いやすいサイズでまとめられています。

　カヨイバコは、内外装のパッケージや使いやすさに優れた設計を追求し、用途に応じて役割を変えられる「超拡張性能」を備え、さまざまなシーンでの活用が可能なベース車両となっています。

　また、カスタマイズ可能なソフトウェアとハードウェアの特性を活かし、スマートグリッドなどの知能化社会システムの一部としても機能することが考慮されています。

　ビジネスユースでは、ラストワンマイルの物流課題に対応する小口輸送の効率化、移動販売車への改装、乗り合いバスとしての運用など、多様な課題解決に貢献するとともに、地域ごとのニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。

　カヨイバコは、プライベートユースも想定して設計され、個人の趣味やライフスタイルに合わせたカスタマイズを可能としています。

　また、車いす利用者が快適に乗車でき、運転席への移動もしやすい設計にするなど、”移動の自由”を提供するフレンドリーな設計にしています。

　ジャパンモビリティショー2023以降、カヨイバコに関する新しい情報は出ていませんが、新型車の予想レンダリングを制作するデザイナーでユーチューバーの「Theottle」が2024年12月12日に、ダイハツの軽商用バン「ハイゼット カーゴ」をベースにしたカヨイバコの予想CGを公開しました。

　動画では、ハイゼットカードの全幅を広げベースとし、カヨイバコのデザインの特徴であるフラットなボディパネルと、特徴的なブラックアウトしたフロントグリルを融合していました。

　また、リアサイドウインドウは、太いブラックの縁取りのはめ殺しとなっているのも特徴的です。

　ハイゼットカーゴは、軽自動車規格ぎりぎりの全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm、最大積載量350kg（標準モデル）のセミキャブオーバータイプで、パワートレインは、最高出力64PS・最大トルク91N・mを発生するターボと、同46PS・60N・mを発生する自然吸気エンジンに、CVTを組み合わせ後輪駆動となっています。

　カヨイバコのボディサイズは、全長3990mm×全幅1790mm×全高1855mmと発表されており、全幅は3ナンバーサイズになってはいるものの、全長は4mを切るコンパクトなサイズとなっています。パワーユニットは、BEV（電気自動車）とだけ伝えられています。

　ハイゼットカーゴは、現在のラストワンマイルを担う主要モデルの1つとなっています。また、ジャパンモビリティショー2023開催前の同年5月に、トヨタ・ダイハツ・スズキの3社共同で開発したBEV軽商用バンを発表しており、そのベース車両はダイハツが開発したハイゼットカーゴでした。

　そのBEV軽商用バンをベースに、カヨイバコのコンセプトを組み入れた量産モデルが今後登場する、というストーリーも想像で来なくはありません。

　ラストワンマイル物流のEV化、知能化は必須の課題となっている現在、カヨイバコがどんなカタチで量産モデルになるのか、期待が高まります。