GSで給油中、「ガコッ!」と音がして自動停止しました。「満タン」にしたいのでやり直したのですが、何度も止まります。一体何なのでしょうか。
実はほかにも「NG行為」が多数?
実は継ぎ足し給油のほかにも、電子機器の使用も禁止されています。別のガソリンスタンドB店のスタッフからこんなエピソードもありました。
「ときどき、電話しながら給油するお客様がいらっしゃいます。仕事に関する通話など、途中で止めるに止められない事情があるのでしょうが、やめていただきたいです」
スマートフォンや携帯電話などが原因でガソリンに引火する可能性は低く、消防庁による実験でも確認されています。
ただしスマホに集中してしまうと、ガソリンが吹きこぼれたり、危険な状態になっても気づかない恐れがあります。「ながらスマホ」をせず、給油作業に集中しましょう。
このほか、当然といえば当然ですが、ガソリンスタンド内は火気厳禁。特にガソリンは非常に気化しやすく、ライターの火はもちろん、くわえタバコや静電気などのわずかな火種が原因となって発火することは十分に考えられます。

エンジンをかけたままの給油も厳禁です。なんらかの要因によりクルマが誤発進してしまうリスクがあるほか、排気口から引火する危険があるためです。
これは「危険物の規制に関する政令第 27 条第 6 項第 1 号ロ」により、「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること。」と、法令で定められた義務となっています。
さらに、作業の不注意による事故もあったようです。先出のガソリンスタンドB店のスタッフはこのように話します。
「別の店舗ですが、以前、給油している状態で転倒し、周囲に燃料をまき散らしてしまう事故がありました。
乗ってきたクルマにも燃料が掛かってしまっただけでなく、オーナー様のズボンや足元もガソリンがベットリついてしまいました。クルマはその場で洗車したのはいうまでもありません。
オーナー様は着替えがないということで、急遽、倉庫にあった作業用のツナギをお貸しして着替えてもらいました。
たまたまその程度で済んだからよかったものの、他のお客様やクルマに燃料が掛かってしまったら裁判沙汰になった可能性もあります。とにかく無理な給油は行わず、作業に集中してください」(先出のガソリンスタンドB店スタッフ)
禁止されている行為をしないのは当然のこと、燃料は大事故に至る危険な物質です。その認識がないまま、給油をすると自分自身がケガをするだけでなく、愛車を傷つけ、さらにはほかの人や物にまで損害を与えることがあるのです。
「お客様が思っている以上に『大事故と紙一重』であることを認識していただきたいです」(先出のガソリンスタンドB店スタッフ)
何気なく行うセルフの給油ですが、今一度十分に注意したほうがよいでしょう。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。


























