大迷惑! ピカッとまぶしい「赤いランプ」一体何? 輸入車でよくみかけるけどなぜ「点灯」させるの? 使い方間違えると“大ひんしゅく”な「目潰しランプ」 正しい使い方は?

ときどき後部にまぶしい赤いランプを点けているクルマがいます。ブレーキランプのようにも見えますが、一体何のためのランプなのでしょうか。また、なぜ誤って点灯させてしまうのでしょうか。

大迷惑な「リアフォグ」 正しい使い方は?

 運転中に、前方を走るクルマのブレーキランプがやけにまぶしい、と感じるときがあります。しかし、加速中でも点灯したままで不思議です。
 
 実はこのまぶしい赤ランプの正体は、「リアフォグランプ」の可能性が高いです。なぜリアフォグランプを点灯させてしまうのでしょうか。
 
 使い方を間違えると後続車にとって迷惑行為になりかねないリアフォグランプの使い方について、考えてみました。

うおっ…まぶし… 謎の「赤い目潰しランプ」一体何なのか(画像:PIXTA/イメージです)
うおっ…まぶし… 謎の「赤い目潰しランプ」一体何なのか(画像:PIXTA/イメージです)

 リアフォグランプが点灯していると、夜間はもちろんのこと、日中でもまぶしさを感じることがあるほどギラッと点灯しています。

 クルマによってはバンパーの下部などに備わるケースもあり、非常にまぶしいことから「発煙筒が落ちているのではないか」と錯覚することもあるほどです。

 リアフォグランプはそのまま日本語にすると「後部霧灯」といい、フォグランプと同様に濃霧やゲリラ雷雨といったように、視界が遮られるほどの豪雨時など、視界不良時に視認性を高めるための装備です。

 正しいリアフォグランプの使用については法的に定められています。

 具体的には、道路運送車両の保安基準の第37条の2において「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」と明記されています。

 また、リアフォグランプの使い方は、装備されているクルマの取扱説明書には必ず記載されています。

 たとえばトヨタでは、「視界が悪いとき以外に使用すると後続車の迷惑になる場合があります。必要なとき以外は使用しないでください」と明確にかかれており、取扱説明書を読んでいれば正しい使い方は認識できるはずです。

 このように、リアフォグランプが活躍する場面は、一般道では思わず速度を落とさざるを得ず、高速道路でも速度制限が行われるほど危険で、いつも以上に慎重に運転するような状況にあるといえます。

 実際のところ、都市部などを走行する場合において、天気予報などで注意喚起されるレベルの濃霧は少なく、リアフォグランプを使用する場面は「ほぼ」ありません。

 ただし、そのタイミングは「日没時から日出時まで」として明確に定められているヘッドライトとは違って、個々のドライバーの判断に委ねられており、誤った使い方を招いているのです。

 一応、「照射光線が他の交通を妨げないものとして」とは書かれており、まぶしいから使い方に気をつけるべし、といったニュアンスが込められていることが分かりますが、それだけでは各々のドライバーには伝わりません。

 また、フロントフォグランプとリアフォグランプのマークが似ている点も、誤った操作を引き起こす理由のひとつといえます。

 リアフォグランプのマーク(アイコン)は湯気のような絵にライトを模した楕円を組み合わせたものですが、フロントフォグランプの逆向き(左右対称)になっていることが特徴で、日本車および輸入車を問わず、このマークは共通です。

「ライトの向きが左がフロントフォグランプ、右がリアフォグランプ」ということになるのですが、正直どちらがフロントなのかリアなのかは非常にわかりにくいです。

 そのため、「よくわからないからどちらも点けてしまえ」という考えに至る人もいるようで、結果として後続車にまぶしい思いをさせてしまっているのです。

 また、輸入車の多くは欧州の法規に従っていることからリアフォグランプが標準装備されていますが、日本車はメーカーオプションや後付けのエアロパーツなど、任意に選択しないと装備されないことが多い現状にあります。

 そのため認知度が低く、またあまり濃霧にならないという日本の気象からも誤点灯させる人が多いのではないでしょうか。

 ちなみに、フロントフォグランプを点灯させるとメーターなどに緑の表示灯が点灯しますが、リアフォグランプはオレンジ色の表示灯になっています。

 メーターをしっかり確認すれば、間違って点灯させているかもしれないと気づくことができます。

※ ※ ※

 使い方を間違えると、後続車の運転を妨げたり、事故を誘発する可能性も充分にあります。

 基本的にオフのままにしておき、極めて視界が悪い場合にこそ本来の性能を発揮するものであり、その機能や役割を正しく理解したうえで活用したいところです。

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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