スバルが新開発した「ストロングハイブリッド」燃費は良いけどAWD性能はどうなの?「クロストレック S:HEV」雪上走行で見せた“スゴい実力”とは?

スバル初のストロングハイブリッド「S:HEV」が「クロストレック」に搭載されました。燃費が良くなったと評価される同システムですが、肝心のAWD性能はどうなのでしょうか。雪上でその実力を試してみました

スバル独自の「ストロングハイブリッドシステム」とは?

 スバルの電動化戦略で重要な役目を担うストロングハイブリッド(以下:S:HEV)。その第1弾となった「クロストレック」では、直近の発売台数の約64%をS:HEVが占めており、早くも多くの人に支持されています。
 
 そのひとつの要因は「燃費を我慢しなくていいスバル」というところでしょう。

スバル初の本格ハイブリッドを搭載した「クロストレック」
スバル初の本格ハイブリッドを搭載した「クロストレック」

 燃焼効率を引き上げた2.5リッターの「水平対向エンジン」と発電用/駆動用のモーターとリチウムバッテリーを組み合わせた「シリーズパラレル式ハイブリッドシステム」の組み合わせにより、従来のスバル車では達成が難しかった1タンクでの航続距離1000km超えを多くの人が達成できるようになりました。

 その一方で気になるのは「燃費が良くなったのは嬉しいけど、肝心のAWD性能はどうなのよ?」というところ。

 S:HEVのAWDシステムは「内燃機関モデルと同じく、プロペラシャフトで後輪にトルクを伝えるシンメトリカルAWD」ですが、S:HEV用に新規で開発されたものです。

 簡単に説明すると、前60:後40のトルク配分を基本に走行状態に合わせてリアルタイムにトルク配分をコントロールする思想は「ACT-4(アクティブトルクスプリットAWD)」と共通ですが、それをコントロールする多板クラッチが油圧式から電磁式に変更されています。

 開発者は「ACT-4はトランスミッション(CVT)の油圧が使えましたが、S:HEVは電気CVTのため電磁式を選択しました。『WRX STI』のDCCD(ドライバーズコントロールデフ)は電磁式でしたので、その知見を活かしています。電動車は内燃機関と比べるとアクセルを踏んだ時の応答が良いため、駆動側も電磁式のレスポンスの良さを活かすことで、より緻密な駆動コントロールを可能にしています」と語っています。

 ただ、筆者(山本シンヤ)がもったいないと感じたのは、システムの名称が「電子制御AWDカップリング」と通称名が無いことです。個人的には電動車用のACT-4なので「ACT-4e」くらいは付けて欲しかったな…と思います。

 そんなS:HEVの四駆性能を確認するために、青森の豪雪地域(酸ヶ湯温泉)で試乗しました(タイヤはヨコハマ・アイスガード7を装着)。

 従来のマイルドハイブリッドを搭載する「クロストレック e-BOXER」と比べると、S:HEVのエクステリアは専用アルミホイールとエンブレム、インテリアは加飾やブラックのピラー&ルーフなどの違いがあります(試乗車はアイサイトX付きなのでフル液晶メーター付き)。

 最上級グレードなので装備面に不満はありませんが、欲を言えばS:HEV化で静粛性が上がっているので、スバルの上級モデルに採用されるプレミアムオーディオ(ハーマンカードン)が装着できると良かったかもしれません。

 ちなみに使い勝手の面では、ラゲッジスペースがバッテリー容量アップと燃料タンク拡大の影響でマイルドハイブリッドモデルに対して5%ほど削減されていますが、実用上は大きな影響はないでしょう。

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