めちゃ便利な「ACC」実は“使いこなせていない人”が多い!? 「本当に車間をキープしてくれる?」不安の声も!? 「運転支援システム」メリットは?
その利便性や安全性から、「アダプティブクルーズコントロール」を採用する車種が増えています。前走車に合わせて車速を調整するクルーズコントロールですが、意外にも使いこなせない人が多いようです。どんなシチュエーションで使うべきなのでしょうか。
高速道路をよく使う人は「ACC」が必需品に!
対応速度域が広がり、渋滞にも対応するようになったこともあって利便性がグッと高まっている「アダプティブクルーズコントロール(以下、ACC)」。
採用車種も近年増えており、これで長距離移動の疲労もかなり軽減される…と思いきや、意外に使いこなせていない人も多いようです。
このACCは、どんなシチュエーションで使うとその恩恵に授かれるのでしょうか。

これまでも「クルーズコントロール」と呼ばれる機能を搭載するクルマは数多くありましたが、これは任意で設定した速度を単純にキープするだけのもので、前走車や周囲の状況に応じて、ハンドル操作はもちろん、ブレーキを操作する必要がありました。
この進化系として誕生したACCは、搭載される専用センサーからの情報をもとに前走車を検知、一定の距離を保持するようにクルマのコンピュータがアクセルとブレーキを自動操作し運転を支援してくれるシステム。前走車の動きに合わせて「追従走行」ができるようになったことで、一気に利便性が高まったと言われています。
そして最新式になると、前走車がなければ設定した速度まで加速しキープ、前走車を検知すると車間距離を一定に保つように速度調整し追従走行、さらに渋滞時には自動停止・再発進までしてくれる機能が盛り込まれています。
車間距離も任意で設定できるようになっており、渋滞の多い日本の道路事情では非常に便利な装備と言えます。
今回、ACCをフル活用している人に話を聞いてみました。
メーカーに勤務するHさん(50代男性)は出張でクルマを使うことが多く、さらには趣味の釣りのために遠方でもクルマで出かけることがあるそうです。
「自分のクルマには『運転支援システム』が搭載されているため、ACCはひんぱんに使用しています。
特に深夜や早朝など、眠気や注意力が散漫になりやすい時間の移動でも、ACCでサポートしてもらえる安心感は非常に大きいと思います。
付いてなければ、こんなにクルマで移動していないかもしれません」
一方でACCをほとんど使っていない人もいます。大学講師のOさん(40代男性)は、利用しない理由のひとつとして、高速道路より一般道を使うことが多いことをあげています。
「特に私が住んでいる地域は山岳地帯なので、カーブも多くアップダウンも激しいなどで、ACCを使う環境ではありません。
もしもACCを使ってもうまく機能しない可能性も高く、それなら自分でアクセルをコントロールしたほうが早いというのもあります。
それに、本当に車間をキープしてくれるのか、まだ若干不安なのかもしれません」
実際にACC装着車を数多く販売してきた都内の自動車販売店オーナーN氏は利用を推進するといいます。
ただし、年式によっては低速域で追従機能がキャンセルされるものもあるので、中古車を購入する際は、どの速度域で利用可能なのか調べておくことが大切だといいます。
「これからクルマを購入されるのでしたら、やはりACC付きを狙うのがお勧めです。
最近では軽自動車にも装備されるほど普及してきていますので、下取りにも有利に働きます。
利用方法も、最初に速度設定を済ませれば、あとはステアリングに付いているボタンを押すだけと扱いやすくなっています」
ACCの機能を考慮すれば、やはり高速道路での利用がメインですが、お盆や年末年始などで話題になる大渋滞を考えると、速度幅が大きい高速道路でこそ恩恵を受けられるでしょう。
※ ※ ※
今なお進化を続けるクルマの機能や装備ですが、なかでもACCは、より安全でより快適なドライブを楽しむうえで必須の装備となりそうです。
特に加齢で衰えを感じはじめたベテランドライバーこそ、ACC装着車に乗ることを検討してもいいのかもしれません。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。





















