今から7年前の2017年、第45回「東京モーターショー」で初公開されたトヨタのコンセプトカー「Tjクルーザー」に対し、SNSなどではいまだに市販化を望む声などが集まっています。
　
　そんなTjクルーザーとは、いったいどのようなクルマなのでしょうか。

　Tjクルーザーは「アクティブに使い倒せる、さまざまな場所に出かける楽しさ」を目指し、開発されました。

　車名は、「Toolbox（道具箱）」と「Joy（楽しさ）」の頭文字と、トヨタのオフロード四輪駆動車に伝統的に使われてきた「クルーザー」を組み合わせたもの。

　外観はSUVとミニバンを融合したスクエアなクロスオーバースタイルで、今見ても斬新なスタイリングといえます。

　ボンネットとルーフ、フェンダーなどには、無造作に物を置いても傷や汚れがつきにくいケアフリー素材（強化塗装）を採用しているといい、アクティブな用途にも対応します。

　見た目には大きく映るTjクルーザーですが、ボディサイズは全長4300mm×全幅1775mm×全高1620mm、ホイールベースは2750mmと意外にコンパクトです。

　現在販売されているクルマで比較すると、コンパクトミニバン「シエンタ」がワイド化されたようなサイズ感というとわかりやすいでしょう。

　プラットフォームは次世代TNGAを採用。2リッタークラスのハイブリッドパワートレイン搭載を想定し、FFおよび4WDと組み合わされます。

　乗車定員は4名で、さまざまなシートアレンジが可能です。

　助手席側をフルフラットにすることで、およそ3メートル級の長い荷物も積載可能とするほか、シート裏やデッキボードなどに多数の固縛ポイントを設けて、荷物の固定がしやすくなっているなど、積載時の使い勝手にも配慮が施されています。

　そしてTjクルーザーでもっとも注目されるのが、後席にスライドドアを採用している点にあります。

　乗降のみならず荷物の出し入れにも有効活用できるのが嬉しいところ。

　SUVモデルでミニバンのようなスライドドアを備えるクルマはほとんどなく、市販化されればかなりの注目を集めたことでしょう。

　このようにTjクルーザーは、仕事から遊びまでフルに活用できそうな楽しいクルマであることが伝わってきますが、残念ながら現在に至るまで、市販化は実現していません。

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　そんなTjクルーザーに対し、SNSでは今もさまざまな反響が寄せられています。

　多かったのは「コンパクトなSUVミニバンって、あったら絶対に売れそう」「もし300万円以内なら今の売れ筋になるのは間違いない」「デリカD：5ではちょっと大きすぎるからこういうのが欲しかった」など、市販化を期待する声でした。

　また「フリード クロスターの対抗になりそう」「クロスターよりも悪路走破性高そう」など、現在コンパクトミニバンクラスで唯一存在するSUVテイストモデルの好敵手となるのでは、との意見も見られました。