1000万円超え! ホンダ「“28年落ち”インテグラ」出現! 「新車4倍価格」なぜ異常な高値に? 純白ホワイト×赤内装がカッコイイ「タイプR フル無限仕様」米で落札

大排気量車顔負けの速さと、コストパフォーマンスの高さで人気を誇ったホンダ「インテグラ タイプR」。このほど、アメリカのオークションにてなんと1000万円の値が付きました。一体どのような個体だったのでしょうか。

1000万円超え個体は貴重な「フル無限」仕様

 ライトウェイトスポーツカーの名作として今も人気のホンダ「インテグラ タイプR」。
 
 今回、アメリカのオークションサイトで6万8000ドル(当日レートで約1010万円)の値が付いたのは、どんな個体なのでしょうか。

ホンダ「インテグラ タイプR」(1996年式・DC2型)[Photo:Cars & bids/Seller:CultivatedCollector ][2024年10月12日落札車両・約1010万円で落札]
ホンダ「インテグラ タイプR」(1996年式・DC2型)[Photo:Cars & bids/Seller:CultivatedCollector ][2024年10月12日落札車両・約1010万円で落札]

 アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置くオークショニアのBring a Trailerは2024年10月、初代インテグラタイプR(DC2型)のオークションを開催しました。

 ホンダといえば、1960年代の4輪車事業の参入期から、独創的な発想と技術力に定評なあるメーカーです。

 特に、自動車レースの最高峰である「F1世界選手権」などで培ってきたエンジン関連の技術や、フロントエンジン・フロント駆動の「FFレイアウト」は、その初期からこだわり続けてきた同社の伝統です。

 これらのノウハウをフルにつぎ込んで作られた究極のFFスポーツカーが、1995年に発売されたインテグラタイプRなのです。

「インテR」や、型式名称の「DC2」などの愛称で親しまれる初代は、同社のスーパーカー「NSX」をベースに軽量化などの徹底的なチューニングを施したスペシャルモデル「NSX-R」に続く、「タイプR」シリーズの第2弾として開発されました。

 ベースとなったのは1.8リッターの4ドアセダンと3ドアクーペボディを用意する3代目「インテグラ」。

 NSX-Rと同様の「快適性をある程度割り切ってでも運動性能を研ぎ澄ます」という考えのもと、車体の軽量化、エンジンをはじめとする各部の高出力化・高精度化が図られました。

 エンジンは標準モデルに搭載の「B18C型」1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンを基に、専用のピストンやカムシャフト、インテークマニホールドとエキゾーストマニホールドを採用。

 ECUも変更してセッティングを最適化し、可変バルブタイミングシステム「VTEC」の性能をフルに引き出しました。

 さらには、ポート研磨などの特に高精度が求められる一部の工程を手作業で行っていました。この工程はのちに廃止されますが、市販車のレベルをはるかに超えた製造手法として当時大きな話題となりました。

 またインテグラタイプRはエンジンだけでなく、ボディも特製でした。

 フレーム各部の板厚を増やして剛性アップを図る一方で、エアコンやオーディオ、リアワイパーなどの快適装備は完全に撤去。さらには薄型のウインドウガラスや軽量タイプのバッテリーを採用するなど、車両重量の削減を徹底的に実施しました。

 当然、駆動系や足回りも強化されています。サスペンションやダンパーを適切に硬め、FF車特有の強いアンダーステアを抑制するとともに、デフには「ヘリカルLSD」を組み込むことで、トラクション性能を増強。

 速さとともに、FF車の常識を破る痛快な乗り味をモノにしていました。

 タイプRの新車価格は3ドアで222万8000円(東京地区希望小売価格)。インテグラの最上級グレード「SiR-G」から約30万円のアップでしたが、もはやその手の込んだ内容を考えればバーゲンプライスといえました。

 初代インテグラタイプRは、2001年に2代目「DC5型」にバトンタッチして生産を終了しましたが、初代ならではの切れ味の鋭い走りは、未だに根強い支持を集めています。

 さて、今回オークションに掛けられたのは、1996年式のDC2型インテグラタイプRです。

 出品情報によると、2021年の11月にアメリカへと渡ったこの個体。なんといっても目を引くのは、「無限」ブランドのフロントバンパーやリアウイング、サイドステップなどを備えている点です。

 ホンダ車のアフターパーツやレース車両の開発を行う無限(現:M-TEC)が手掛けたこれらのエアロパーツは、現在は絶版となってしまった貴重なアイテムです。またこのクルマにはエアロパーツのほか、吸排気系などにも無限製パーツが組み込まれている様子です。

 レアなパーツもさることながら、車両自体もきわめて良好なコンディション。走行距離はわずか2万4000キロです。手入れを怠ると黄変など劣化しやすい「チャンピオンシップホワイト」のボディカラーはツヤを保っており、専用の真っ赤なRECARO製バケットシートも退色はごくわずかです。

 日本では東京都内でワンオーナーで使われていたようで、しっかりとホンダディーラーでの整備記録も残されていますが、タイミングベルトや点火プラグの交換など、機関部の主要なメンテナンスはアメリカに渡った後も実施されています。

 オークションは現地時間の2024年10月13日午前2時41分、76件の入札の末に6万8000ドル(当日レートで約1010万円)で決着しました。

 サイトには「このオークショニアから落札されたインテグラタイプRでは7番目に高い」「でも無限のエアロにはそれだけの価値がある」「いいオーナーの元に渡ったみたいでよかった!」などのコメントが投稿され、オークションの注目度の高さがうかがえました。

 今回のインテグラタイプRのように、日本でしか販売されていなかった高性能スポーツカーの人気は、年々世界的な規模で高まっています。

 身近だった国産スポーツカーが遠い存在になってしまったように感じる一方、日本製のクルマが文化的な側面でも評価され、世界で愛されるようになった、ということは、日本人として誇らしいことと言えるでしょう。

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