スズキが新型「ジムニー”5ドア”」発表! 29年ぶり復活の「旧車ネーミング」なぜ採用? めちゃ懐かしい“ノマド”の意味とは
由来は90年代初頭に大ヒットした名車「エスクード“ノマド”」から
新型ジムニー“ノマド”の名を聞いて、往年の名車を思い出す人がいるのではないでしょうか。
ノマド、つまり「遊牧民」を意味するこの名が付けられたのは、初代「エスクード」のことでした。

エスクードは1988年に生まれたモデルです。
ヨーロッパ車のような内外装デザイン、オンロード性能と悪路走破性を両立させた足回り、そして燃費のいい1.6リッターエンジンとコンパクトサイズが特徴でした。
当時はトヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」といった重厚なクロスカントリー4WDが主流でしたが、燃費がよく都市部でも気兼ねなく使えるエスクードは大ヒット。
後のSUVにつながる「ライトクロカン」というカテゴリーを創りました。
当初は3ドアショートボディのハードトップとソフトトップがラインナップされていましたが、より実用的な5ドアモデルとして1990年に登場したのが「エスクードノマド」です。
“たっぷりの荷物を積んで、自由に移動する”というクルマのイメージを遊牧民に重ね合わせて、ノマドのサブネームが与えられました。
エスクードの拡販に大いに貢献したエスクードノマドでしたが、1996年には3ドア、5ドアともにエスクードの名称に一本化され消滅しています。
これを29年ぶりに受け継いだのが、今回の新型ジムニーノマドです。
伝統的なラダーフレーム構造とリジッドアクスルサスペンションを継承し、ロングボディ化で使い勝手のいい後席・荷室を実現したということから、同じようなキャラクターのエスクードノマドから名前を受け継がせたと、スズキでは説明しています。
エスクードは欧州市場戦略車として生まれたため、「NOMADE」というフランス語の表記が採用されましたが、ジムニーノマドも同様の欧文表記。
となれば、昨年ジムニーの販売中止が発表されたヨーロッパにおいて販売されることも考えられるのではないでしょうか。
しかし、ジムニーの開発担当者は否定的です。
「欧州の排ガス規制・ユーロ5は非常に厳しく、さらに今後はユーロ6に強化される予定です。
欧州でも5ドアモデルの期待が高まっていることは把握していますが、もし販売するとしたら“別のカタチ”として考えていかなければならないと思います」
※ ※ ※
現状では国内専用となりそうな新型ジムニーノマドのネーミング。
日本仕様のリアゲートには、同モデル名の鋳物調エンブレムが付けられていますが、海外ではドレスアップとして人気を呼びそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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