クルマの「暖房」は“無料”って本当? それとも「燃費」が悪化する? 愛車の“航続距離”が短くなる「残念なエアコンの使い方」とは!
「EV」は暖房が走行距離に影響する?
ここまで解説してきたとおり、エンジン車は燃料を消費することなく暖房が使えますが、EVの場合は話が変わり、蓄えたエネルギーを消費します。

EVの暖房の仕組みは、「電気を使って新たに熱を作ることで車内を暖める」というものであり、暖める方法は電気ポットのように水を沸かして循環させたり、電気ストーブのように温めたりするヒーター方式や、空気を圧縮して熱を作り出すヒートポンプ方式など、様々です。
しかしどのような方式で暖めるにしろ、駆動用のエネルギーである“電気”を使うことに変わりはないため、航続可能距離は当然短くなります。
EVの暖房にかかるエネルギー量は、EVの全消費エネルギー量の半分以上を占めるともいわれており、エンジン車とは事情がまったく異なるのです。
対策としては、「シートヒーター」のような部分的に温める機能を使うことで、エアコン暖房にくらべて消費電力は10分の1程度に抑えられます。
もしEVにシートヒーターが搭載されている場合は、エアコンよりも優先的にこの機能を利用すると良いでしょう。
※ ※ ※
このように、カーエアコンの暖房は単純に車内に暖かい風を送るだけであれば燃費に大きな影響はありませんが、除湿のためにコンプレッサーを動かすとガソリンを使うため、冬でも燃費は悪化します。
そしてEVのエアコンは、電気を使って新たに熱を作る必要があるため、航続距離が短くなります。
冬場の燃費が気になるという人は、カーエアコン作動時にA/Cボタンを切り、窓が曇らないよう適時換気するなど工夫してみると良いでしょう。
Writer: パワーボム
関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。

























