闇に溶け込む「絶対ライト点けないマン」なぜ増えた? 「点けなくても見えるじゃん」の考えはNG! 「無灯火走行」どんな違反に? 正しいライトの使い方は?
なぜ「無灯火」増えた? クルマ側にも原因が!
では、なぜ近年、無灯火のクルマが増えてきたのでしょうか。その理由はさまざまなものが考えられます。

近年はクルマのライトだけでなく、街灯にもLEDが多く採用されており、街灯が多く設置された交通量の多い道路では、自分のクルマのライトがついていなくても、ある程度視界が確保されるため、無灯火のまま走行してしまうことが挙げられます。
また、そもそもドライバーが「無灯火状態」で走行していることに気づいていないかもしれません。
なぜならば、クルマのメーターパネルで常時点灯タイプのものが増えたことです。
従来のメーターは、ライトをオンにすることでメーターパネルも照明がつく仕組みだったため、「メーターが見えにくいからそろそろライトを点けなきゃ」という発想に至ります。
しかし、現在主流の「自発光式メーター」というタイプのメーターは、クルマのキーをオンにすると、昼夜問わずメーターの文字や針が発光しています。
そのため、「メーターの暗さ」をライト点灯のタイミングと見ていた人からすると、
ライトのオン・オフタイミングの判断がしづらいという側面があります。
さらに、それ以外にも、「デイライト」を搭載したクルマが増えたことが挙げられます。
デイライト(デイタイムランニングライトなどとも)は、昼間など周囲の明るさに関わらず、常時一定のライトが点灯する機能です。
これによって「十分ライトがついている状態だ」と勘違いしてしまうこともあるようです。
しかし実際には、デイライトはフロントだけの機能であり、テールランプやナンバー灯などは点灯せず、フロントもロービームの明るさよりも暗いことがほとんどです。
一方、こうした「無灯火車」に対しては、国も動きを見せています。
2016年10月の保安基準改正により、2020年4月以降に販売される新型車および2021年10月以降の継続生産車には「オートライト機能」の搭載が義務化されました。
これは、ヘッドライトのスイッチを「AUTO」に設定しておけば、ドライバーが操作しなくても、明るさのセンサーが感知してライトのオン・オフを自動的に切り替えてくれる仕組みです。
特に近頃のクルマはオートライト機能をオフにできない、つまり常時オートライト機能が作動しているクルマも増えており、ドライバーが「まだ明るい」と感じていても、センサーによってライトが点灯するため安心です。
ただし、普段オートライト機能のついたクルマに乗っている人が、機能のないクルマに乗った場合には、ライトをつけるタイミングを迷ったり、そもそも点け忘れたりすることもあります。
ほかにも、停車した時に、対向車が眩しくないようにとスモールライト(車幅灯、ポジションランプとも)に切り替える人で、発進する時にオンにするのを忘れて、スモールライトのままで走行してしまうことがあります。
スモールライトは車幅灯や尾灯が点灯するため、周囲に自分のクルマの存在を知らせる効果はありますが、自分の視認性の確保には明るさが不足することになり、周囲の明るさによっては違反となることがあるため、よく確認しましょう。
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日没の前後1時間の薄暮時間帯は、特に交通事故が多く発生しているといいます。
これは、徐々に暗くなる景色に目が慣れていなかったり、この時間帯は人の流れも増えてくるためです。
ライトをつけることは、自分の視界を確保するだけでなく、周囲のクルマや歩行者、自転車などに自分のクルマの存在に気づいてもらうためでもあります。
オートライト機能を積極的に活用するか、手動で操作する場合は意識的に早めにライトをオンにすることが大切です。

















































