「ズンチャ! ズドドン!」迷惑な「爆音垂れ流し」運転に待ち受ける「厳罰」がある!? 大音響の音楽がもたらす「社会的害悪」の実態とは
街中を歩いていると、クルマの外からもうるさく感じるほどの大音量をかけて走行しているクルマに出くわすことがあります。実はこれ、違反になる可能性もあることをご存じでしょうか。
クルマの運転は「視覚」のみならず「聴覚」も必要
「好きな音楽をかけながらドライブをするのが楽しみ」という人は少なくないでしょう。もちろん、音楽をかけて運転することは問題ありませんが、音量には十分な注意が必要です。
あまりに大音量だと「交通違反」となってしまう可能すらあるのです。
![楽しいドライブに「音楽」は欠かせませんが…[画像はイメージです]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/01/20250114_Sound_Trouble_AdobeStock_97527717.jpg?v=1736854657)
クルマの運転は、「認知、判断、操作」の繰り返しです。
その最初の段階である認知の約8割は、「視覚」から情報を得ているといわれます。
そのため運転免許を得るには、視力に関する適性試験(検査)があり、普通(第一種)免許の場合は両眼で視力0.7以上、かつ1眼それぞれ0.3以上が必要とされているほか、色彩識別能力に関しても合格基準が設けられています。
そしてこの適性試験には、「聴覚」に関する基準があるのも覚えているでしょうか。
聴覚(聴力)に関しては、10メートルの距離で、90デシベルの警音器の音(補聴器使用可)が聞こえることが必要とされています。
これに満たない場合でも、ワイドミラーの装備や「聴覚障害者標識」(いわゆる「ちょうちょマーク」)を表示することを条件に、普通免許を取得することは可能です。
このように、クルマの運転には視覚のみならず聴覚も重要だとされていることがわかると思います。
その重要な聴覚を、クルマの外からもうるさく感じるほど大音量の音楽で阻害した状態でクルマを運転しているのは非常に危険な状況だといえます。
たとえば救急車など緊急走行中の緊急車両が自車に接近している時や、パトカーの警察官からなんらかの指示が出されていることに気づくのが遅れてしまう可能性があります。
外の音が聞こえないことで、視界に入りづらい真横や後方を走るクルマやバイクの存在もわかりづらくなるほか、エンジンなどの自車の故障に気づくのが遅れてしまうことも考えられます。
また、緊急走行中の緊急車両に道を譲る行為ができなければ、緊急車妨害等違反となります。
大音量の音楽をかけていたことで危険や故障等に気づくのが遅れ、他人に危害を及ぼしたとされれば、道路交通法第70条で規定されている「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」とする安全運転義務違反となる可能性もあります。
若年難聴。