「圏央道4車線化」全体完成まで「あと2年」ってホント!? 工事進んでる? 狭くて不便な「埼玉~茨城~千葉」区間…一体どうなるのか

本当に2026年度に終わるの? 工期が延期になりそうな「不安材料」とは

 気になるのは、「この開通見込みに影響しそうな不安材料があるのかどうか」ですが、どうでしょうか。2024年9月に連絡調整会議が開かれ、現状が報告されました。

阿見東IC〜稲敷ICにある月出里(すだち)橋(画像:国土交通省)。
阿見東IC〜稲敷ICにある月出里(すだち)橋(画像:国土交通省)。

 そこでは、「盛土材の性状不良対策」「切土部の湧水発生」「周辺環境に配慮した施工計画見直し」といったトラブルが報告されていますが、いずれの工区も、少し次の工程に遅れが発生しただけで、すでに大詰めである舗装工事まで進んでいます。

 いっぽう、工期にもろに影響しそうなのが、先述した「資機材の調達」という、気になる課題です。工事をするための資材や機材が手に入らないとは、一体どういった事態なのでしょうか。

 同報告によると、「阿見東~稲敷」工区の月出里橋(すだちばし)では、橋脚に「SC+PHC杭」という特殊な工法による鋼管コンクリート杭が使われる設計です。

 SC杭とPHC杭はいずれも、高強度コンクリートを遠心締固めして製作するものですが、PHC杭は鋼材を用いてプレストレスを与えたものに対し、SC杭は鋼管がメインでその中にコンクリートを注入するという違いがあります。

 そんななか、沿線ではちょうど折悪く「大規模な民間建築工事の集中」状態であるとのことで、なかなかうまく4車線化工事への余裕が捻出できない業界事情であるとしています。

 それがいつまで続くのかは分かりませんが、あまりにも余裕が無い状況が続けば、「2026年度の全体完成」から遅れる可能性があるというわけです。果たして順調にいくのでしょうか、引き続き動向に注目です。

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