エンジンオイル交換「上抜き・下抜き」どっちが良い? 「オイルフィルター」いつ交換? 意外と知らない“ベストな”方法・頻度とは?
クルマのコンディションを維持するために、エンジンオイルは定期的に交換したいものです。交換するときに悩むのが、交換頻度やオイルの抜き方です。また、フィルターもその都度交換したほうがいいのでしょうか。
オイルフィルターは毎回交換しなくていい!?
クルマのコンディションを維持するためにも、劣化しやすい保安部品は定期的に交換したいものです。
なかでも「エンジンオイル」は走行状況によっては傷みやすく、一般的には5000km程度の走行か半年程度に1度の交換が推奨されています。
エンジンオイルは精密な金属部品の集合体であるエンジンを正常に作動させるために欠かせないものであり、「潤滑」や「密封」、「洗浄」、「冷却」といった重要な役割をこなしています。
それだけ何役もこなすので、当然ながらほかのパーツと比べて傷みやすく汚れやすいため、定期的に新品に交換する必要があるわけです。
都内の自動車販売店に勤める整備士M氏に聞いてみました。
「エンジンオイルに関して、最近では交換サイクルを伸ばす傾向があります。
これは走行5000kmレベルではまだトラブルになるほどエンジンオイルが劣化しなくなっていること、また廃油を少しでも減らそうという環境への配慮から、1万kmを推奨するケースが増えましたが、本来はもっとマメに交換した方がいいでしょう」
M整備士いわく、一般的なエンジンは5000kmごとか半年ごと、よりオイルに負荷のかかるターボエンジンは3000kmごとか3ヶ月ごとの交換を推奨しているといいます。
このエンジンオイルの交換方法には「上抜き」と呼ばれる専用機械を使った方法と、クルマの下部にあるドレンボルトを緩めて取り除く「下抜き」の2つがあります。上抜きにも下抜きにも一長一短あるのですが、どちらがいいのでしょうか。
「手軽なのが、『オイルチェンジャー』と呼ばれる専用機械でオイルレベルゲージから吸い出す『上抜き』です。車体下に潜り込む必要もなく作業も短時間で済みます。
また廃油処理もしやすいので、ガソリンスタンドや量販店でよく行われています。
ただし『上抜き』できない形状のオイルパンの車種もあります」(M整備士)
「専用機材がなくてもできるのが『下抜き』です。オイルパンの底に溜まったオイルまで出し切ることができ、オイルフィルターやドレンボルト用ゴムパッキンの交換なども同時にできます。
ただし、そのために車体をジャッキアップさせる必要があったり、ドレンボルトは適正なトルクで締め直す必要があるのですが、締め過ぎてボルトをダメにしてしまうこともあります。
重力で出すため、時間が多少かかるのも考慮する必要があります」(M整備士)
また下抜きの場合は専用工具も必要になりますが、オイルフィルターも交換する場合は下抜きとなるようです。
そして、エンジンオイルの洗浄機能をサポートするのが「オイルフィルター」です。
円柱のような形状のこのパーツは、エンジン内を循環してきたエンジンオイル内に蓄積された汚れをろ過する役割を持ち、こちらも定期的な交換が好ましいと言われます。
「オイル交換2回に1回は、オイルフィルターも交換したほうがいいと言われています。
ただしターボ車やスポーツ走行を繰り返すような運転をしているとオイルと共に劣化も早まるので、整備士やメカニックに相談しながら、適切なタイミングで交換しましょう」(M整備士)
また、エンジンオイルを交換したからといって、必ずしもオイルフィルターも毎回交換する必要はないそうです。
ただし何回もオイルフィルター交換をパスしていると、面倒なことも起きる可能性も否めません。
「フィルターが目詰まりすると十分な『ろ過』ができなくなりますし、『油圧警告灯』が点灯することもあります。
指定以外のフィルターの使用は故障の原因にもなるので、必ず指定部品を使うようにしてください」(M整備士)
※ ※ ※
オイルフィルターの費用は数千円程度です。クルマのコンディションを維持するための安心料と考えれば、高いとは言えません。
故障リスクを回避し、燃費向上にも繋がりますので、定期的なエンジンオイル交換、あせてフィルター交換もしましょう。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。