JVCケンウッドが横浜に新拠点を創設! 最先端設備や異分野融合で開発力強化
「彩速ナビ」やスピーカー、ドライブレコーダーなどのKENWOODブランドを展開するJVCケンウッドが2024年12月、横浜本社に価値創造の拠点「Value Creation Square(バリュー・クリエーション・スクエア)」を創設し、本格的に業務を開始しました。
技術開発を強化、働き方改革を推進
クルマ好きの人にとっては「彩速ナビ」でおなじみのカーナビゲーションやスピーカー、ドライブレコーダーなどで知られるKENWOODブランドを擁するJVCケンウッドが2024年12月、横浜本社(横浜市神奈川区)に価値創造の拠点「Value Creation Square(バリュー・クリエーション・スクエア、以下VCS)」を創設し、本格的に業務を開始しました。
今までは本社のある横浜に加えて、ナビやドライブレコーダーなどを手掛ける八王子事業所(東京都八王子市)、無線システムなどを手掛ける白山事業所(横浜市緑区)、ホームオーディオなどを手掛ける久里浜事業所(神奈川県横須賀市)と事業・分野ごとに事業所が分散していましたが、本社のある横浜に各部門が集結しました。
VCSの中でも新たに建造され2024年10月に完成した「Hybrid Center(ハイブリッド・センター)」の説明会が12月4日に実施され、メディアに公開されました。
ハイブリッド・センターは地上4階建てのビルとなっており、建物の外周に有孔折板を採用している点が外観上の特徴です。この有孔折板によって日射抑制が可能となり、日射負荷の軽減した省エネ建造物として、経済産業省資源エネルギー庁が定める「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready」認証を取得しているほか、往年のミュージックイコライザー的な遊び心のあるルックスも実現しています。
そんなハイブリッド・センターは3階と4階が執務エリア、1階と2階が試験設備エリアとなっており、中央に1階から4階までをつなげる大きな吹き抜けを設けた開放的な建物となっています。
また今までは事業所ごとに分かれていた執務エリアを事業分野を問わず機能別にし、フリーアドレスとすることで、今まではほとんど交流のなかったスタッフや開発チームの交流を促し、分野や事業の垣根を越えた交流を促す環境となっている点も大きな特徴で、それが新たな刺激となってさらなる技術開発の強化も期待しているそうです。
フルスペックの自社設備で、スピーディーかつ低コストで開発・試験が可能に
1階と2階に位置する試験設備エリアには、恒温槽・熱衝撃試験室、振動・衝撃試験室、電波暗室、無響室、半無響室といった開発に必要不可欠なさまざまな試験設備が集まっています。
中でも電波暗室や半無響室はクルマをそのまま1台入れることができる広さとなっており、一般流通するアフター品だけでなく、自動車メーカーが純正採用する上で求められる細かな仕様にも対応できるようになっている点がポイント。
従来の事業所にも同様の設備は備わっていたものの、場所の制約でフルスペックではなかったそうで、自社でフルスペックの試験設備を備えることで、スピーディーかつ低コストで開発と試験ができるというのがJVCケンウッドの大きな強みとなりそうです。
すでに各事業所に配属されていた従業員も2024年11月下旬にはVCSへの入居が完了しており、異なる分野・事業の従業員の交流もスタートしているとのことで、今後は人的流動性が一層高まることでより魅力的な新製品が誕生することを期待したいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。