「5ドア」なのに“2人”しか乗れない! トヨタの「めちゃ硬派モデル」がスゴい! 700万円超えで300馬力ターボ×4WDの「ガチガチモデル」! 即完売した「GRカローラ」は再販に期待
5ドアのボディを持つのに、乗車定員が2人という特殊なモデルが存在しました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
ベース車よりも「190万円高&シート撤去」 再販に期待
2ドアから5ドアが一般的な乗用車では、乗車定員に対してドア数が少なくなるのは特に珍しいことではありません。
しかし、乗車定員よりもドアのほうが多いという逆転現象を起こした特殊なモデルがあります。それがトヨタ「GRカローラ」です。
トヨタの「GR」ブランドから2023年に登場したGRカローラ。2020年デビューのハッチバックスポーツ「GRヤリス」と同じく1.6リッターインタークーラーターボエンジンを搭載し、「GR-FOUR」と名付けられた四輪駆動システムを搭載するホットモデルです。
ただ、専用の3ドアワイドボディを持つGRヤリスに対し、GRカローラは5ドアハッチバックの「カローラスポーツ」がベースでした。
ホットな走りを味わいつつも、日常使いに供することもできるマルチな車種として、抽選販売の申込にユーザーが殺到したのも記憶に新しいところ。
そんな速さと実用性を兼ね備えたGRカローラですが、実はリアシートが備わらない「2名乗車モデル」が存在していました。
それが発表と同時に70台限定で設定された「GRカローラ モリゾウエディション」です。
モリゾウとは現トヨタ自動車の代表取締役会長である豊田 章男氏のドライバーネームであり、氏のこだわりである「お客様を魅了する野性味」を追求したモデルとなっているのが特徴。
その一環として、5ドアハッチバックボディでありながらリアシートを完全に撤去し、そこにブレースバーとタワーバーを装着することで、ボディ剛性をさらに高めているのです。
ちなみにこのブレースバーとタワーバーはタイヤラックの機能も有しており、オプションの「GRフレックスベルト(通常は荷室の荷物を固定するためのもの)」を3セット(6本)使用することで、純正サイズのタイヤを4本立てた状態で固定できるようになっているのもポイントです。
このため、走行会などでサーキットなどを本気で走りたい人にはぴったりでした。
それ以外にも、構造用接着剤を塗布する長さを、通常のGRカローラよりも3.3m延長し、スポット溶接も349打点打ち増しするなど、モータースポーツでの使用を前提としたボディ強化を実施。
エンジンも過給圧を10%アップすることで最大トルクを370N・mから400N・mへアップ(最大出力304馬力は同一)。
さらにトランスミッションのギア比もファイナルギアを変更しクロス化するとともに、高強度ギア材の採用とショット処理を施し、耐久レースでの優れた信頼性を確保しています。
足回りではサスペンションの応答性を高め、オイルの放熱性にも優れるモノチューブショックアブソーバーを前後に採用。
フロントは倒立式、リアは大径のピストンを採用して、放熱性と減衰力の応答性向上に寄与しています。
タイヤにはワンサイズ拡幅した245/40RZ18サイズのミシュラン「パイロットスポーツカップ2コネクト」を標準装備するなど、かなり本気のチューニングがなされていたのでした。
GRカローラモリゾウエディションの販売価格(消費税込)は715万円で抽選のみ。通常のGRカローラが525万円で190万円高となっていましたが、全身にわたって手が入れられた内容を考えると高いとはいえません。
残念ながらGRカローラ モリゾウエディションはデビュー時に発売されて以降、再販などもされていませんが、再登場を求める声の大きなモデルであるため、今後のGRカローラの改良のタイミングなどで再販されることを期待したいところです。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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