ツルツル路面でもしっかりグリップ 滑らないタイヤとは

偶然できた独自技術

——ブリヂストンが30年来使用している独自技術「発泡ゴム」は、どのようにして生まれたのですか?

「BLIZZAK VRX2」装着し、タイヤ試験場で走行するプリウス

 実はいろいろ実験していて、偶然なんですが、注文通りのゴムができずにタイヤがぼそぼそになったんです。

 ぼそぼそになったタイヤを面白いから実験をしてみようといったら、摩擦力が氷上で凄くいいんです。なんでだろうと、最初全然わからなかったんです。

 後になり分かった事は、ぼそぼそのスポンジ状の所に水が入り、水を吸い取るということがわかったんです。

 水を吸い込むことで路面にタイヤが吸い付き滑りにくくなるのです。それが「発泡ゴム」の始まりです。

——タイヤ表面の細かい溝(サイプ)はどのような役割をはたしているのですか?

タイヤ表面の波状の溝のことをサイプという

 羊羹(ようかん)あるじゃないですか、羊羹を包丁で切りますよね。サイプは、包丁で切った切り口だと思ってください。

 長細い羊羹を切ると一個一個が離れますよね。タイヤも同じで、ゴムとゴムを離れやすくして、離れたところが角になる。その角が、路面をひっかくんです」

「サイプが多ければ多いほどタイヤは軟らかくなります。軟らかくなると剛性が足りなくなってしまう。少ないと今度はひっかく数が足りない。サイプは、丁度いい硬さやひっかく数があるんです。

 タイヤ表面の細かい溝(サイプ)を入れることにより、氷上に浮いた水を積極的に除水し、タイヤを路面に均一に接地させることもできるようになるんです。

 サイプとは、タイヤの表面にある波状の溝のことを言います。タイヤ表面のブロックの硬さをコントロールし、角を作ることで路面を引っ掻き摩擦力を高め凍結路などでグリップ力を向上させます。

ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX2」

「BLIZZAK VRX2」は、昨年9月に販売開始されたブリヂストンを代表するスタッドレスタイヤブランドで、降雪の多い北海道や北東北の主要5都市で評価をされているタイヤです。

 ブリザックシリーズは、全世界におけるメーカー累計出荷本数が2億5千万本を達成しています。

【了】

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