日産、脳波を測定解析し思い通りの運転が可能に CES2018で初公開

日産は、脳波を測定、解析してハンドル操作をクルマ側でアシストし、思い通りの運転をサポートする技術を発表しました。

運転の楽しさを脳波を使ってアシスト

 日産は、自律運転やwifiを基軸としたコネクテッド技術がADASの主流を占めるなかで、”ファン・トゥ・ドライブ”に応用する技術をCESで発表しました。

日産のSIR ルチアン・ギョルゲさん

 ADASとはAdvanced Driver Assistance System:先進運転支援システム。カメラやレーダーの機能によって、事前に事故を防ぐ制御をクルマ側が与えるもので、自律運転の魁となる技術です。

 それは「Brain to Vehicle」(B2V)と呼ばれる運転支援技術です。具体的にはドライバーの脳波を測定して、その信号をもとにハンドルの操作をクルマ側がアシストします。

 脳波を測定して操舵アシストを行うというと、なにやらミステリアスな印象や、機械による完全なる自動運転を思い浮かべます。しかし先にも述べたようにこのB2Vは、あくまでドライビング・ファンに重きを置いているところが、他社とはひと味違います。

 このシステムを考案したのは、日産のSIR(シニア・イノベーション・リサーチャー)制度で社員となっているルチアン・ギョルゲさんです。ルーマニア生まれのギョルゲさんは98年に来日し、神戸大学学院で情報知能学を専攻後、日産自動車 総合研究所に入所し、ドライバーアシストシステムの研究を続けるスペシャリストです。

 ギョルゲさんは、「このB2Vは、脳の運動野が発する、実在する信号をキャッチしています」と、会場のブースを前に説明してくれました。

 わたしたちはクルマを運転するとき、目から見た情報を元に操作をしています。さらに細かく分析すると、「ハンドルを切ろう」とか「ブレーキを踏もう」と思った瞬間には脳から信号が出ており、それがカラダに伝わることによって、実際のアクションが行われます。

 そしてB2Vでは、この信号をリアルタイムにキャッチして、一般的なドライバーのアクションよりも0.5~0.2秒素早く操舵支援を行います。

 このとき既にドライバーは意識的に「ハンドルを切ろう」と自覚しているためそこに違和感が生じず、まさに「思い通りにクルマを操作できた」と感じるのだそうです。

 ちなみにレースの世界でも、才能のあるドライバーはカラダの反応が速く、この脳からの命令信号をすぐ動作に結びつけることができると言われています。

 自動車やバイクの競技が“モータースポーツ”と言われる所以も、ここにあるのかもしれません。

 一般的にはこうした直感的な操作は難しく、また運転技量だけでなく年齢やその日の体調、気分によってもカラダの反応速度は変わってきます。B2Vを使えば、こうした状況でも自分の意思とズレのない操作が可能となるというワケです。

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