日産、脳波を測定解析し思い通りの運転が可能に CES2018で初公開
バーチャルシミュレーターで脳波の分析や解析を行う
CESの会場には、脳波を測定するための近未来的なヘッドセットが用意されており、バーチャルシミュレーターでは、操作に対する応答遅れのパーセンテージと、それをB2Vが補正したパーセンテージがデジタル表示されていました。
実際運転する際にこのようなヘッドセットをするのは仰々しいですが、近未来的なデバイスのプレゼンテーションとしては、まるでエヴァンゲリオンのような面白さがありますね。
この他にも日産は「エラー関連電位」という脳波の計測にも成功しています。
これは人間が違和感を感じたときに前頭前野から発せられる脳波で、自動運転時にこの脳波が出る操作をクルマ側がサンプリングし続けることで、最終的にはドライバーが違和感を感じない制御ができるようになる。それぞれのドライバーに適した自動運転がカスタマイズできるようになる、と発表しています。
こうした技術はいま日産が市販車に採用している「プロパイロット」ではなく、完全な自律運転ができるレベルをベースに組み立てられており、その目処は2020年だと言われています。
自動運転は「安全だけれど退屈」。もしくは「機械に全てを委ねてしまうもの」と捕らえられがちですが、どうやら最先端の技術では、そのずっと先を見据えているようです。
【了】
Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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