「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは

スイッチはいつ使うのか

 横滑り防止装置には事故を未然に防ぐ役割がありますが、運転中にはその機能を必要としない場面もあります。

 具体的な場面について、とある新車系販売店の担当者は次のように話します。

「雪道やぬかるんだ泥道など、タイヤが上手く回転しない時です。

 装置をオンにしたままではタイヤの回転が抑えられて出力が出ず、抜け出せなくなってしまいます。

 ただ、あくまで非常用のものであるため、通常の走行でオフにすると坂道などで滑ってしまい極めて危険です。

 くれぐれも非常時以外は装置をオンにしたままにしてください」

 横滑り防止装置は、タイヤの空転を感知すると自動的にエンジンの出力を抑えるといった、最も適切な状態でパワーを路面へ伝える機能があります。

 しかし、雪道や大雨のぬかるみにはまった状況などでは、こうした機能がかえって邪魔になることがあります。

 ある程度タイヤを空転させないと脱出できないにもかかわらず、空転を感知するために、アクセルを踏んでもエンジンの回転数が上がらずに駆動力が得られなくなってしまうのです。

 このような場合は機能を解除しなければならず、そのために横滑り防止装置を「OFF」にできるスイッチがついているというわけです。

ドリフトするとき横滑り防止装置はオフにする
ドリフトするとき横滑り防止装置はオフにする

 なお、雪道にスタックしてしまった場合は、横滑り防止装置をオフにし、タイヤで雪を踏み固めると脱出できるようです。

 タイヤは多少空転しますが、ゆっくりアクセルを踏み、振り子の要領で小さく前進と後進をくり返すと、大きく動くようになるといいます。

 やがて足元の雪が固まってくると、グリップ力がもどり勢いで脱出できます。このとき、タイヤの下にフロアマットや脱出用マットなどを敷くと、よりグリップ力が高まるようです。

 ただ、手に負えないと感じる場合は、無理せずロードサービスに依頼するのも大切でしょう。

※ ※ ※

 また、日頃から横滑り防止機能をオンにしていても、乱れたクルマの動きを100パーセント制御できるものでもありません。安全のためには無理な運転を避けることも大切でしょう。

【画像】「えっ…!」 これがスイッチを「OFF」にするべき場面です(14枚)

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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