スズキ「ワゴンR」はどんなクルマ? 初代誕生から軽自動車市場をけん引してきたパイオニア

一時代を築いた軽自動車のパイオニア的存在のスズキ ワゴンR。それまで主流だったセダンタイプから軽トールワゴンという新たなカテゴリーを築き、初代が誕生した1993年から長きに渡り軽自動車のベストセラーカーとして常に市場をリードしてきたワゴンRはどんなクルマなのでしょう。

背の高い「軽自動車」のきっかけをつくったクルマ

 スズキ ワゴンRの登場によって、一般的には「軽自動車が背の高くなっていったきっかけ」のように受け止められることが多いかもしれません。実際には主に男性ユーザーから「狭い」という軽自動車に対する声にこたえる形で1993年に新しいカテゴリーのクルマとして誕生しました。

 ワゴンRの登場以降、軽トールワゴンと呼ばれるカテゴリーでの代表的なモデルとして好評を博し、長きにわたって日本における自動車のベストセラーの座に君臨することになります。

広さを求める声をカタチにした初代スズキ ワゴンR

6代目に生まれ変わったワゴンRはどこが凄い?

 2017年2月に登場した6代目モデルは、存在感のあるフロントマスクは3種類用意され、より幅広いニーズにこたえるラインナップ構成になっています。それでもテールランプのデザインなどは、初代モデルのデザインモチーフを取り入れるなど、長年ワゴンRを愛用しているユーザーへのアピールもしっかりと表現されたモデルになっている、と言ってよいでしょう。

 ベーシックなグレードではオーソドックスなガソリンエンジンが搭載されるものの、それ以外のモデルではバッテリーの大容量化、ISG(モーター機能付き発電機)の高出力化などが施された最新型にアップデートされてのマイルドハイブリッド仕様となるなど、ベーシックカーとしても新時代へのメッセージをしっかりと持っている力作に仕上がっています。

 また軽量・高剛性設計の新型プラットフォーム「HARTECT」で高い安全性を保ちつつ、特にコンパクトカーにとっては何にも代えがたい軽量化を実現、燃費など経済性に寄与する部分も大きいですが、一度実際に乗り比べてみれば、数字には表れてこない「軽いことの正義」をきっと多くの方がステアリングから感じ取ることができると思います。

 安全装備はボディ以外でも充実しています。例えば、全方位モニターもその一つでしょう。縦列駐車はもちろん、路地から大通りに出る際に見通しの悪い箇所、また狭い場所でのすれ違いなど、見えにくい場所やアングルの安全を確認することができるのです。

 内装に関しては、必要なものは一通り備わっているものの、必要以上に華美でなくてよいというのは、初代から踏襲されているワゴンRらしさと言ってもよいかもしれません。また、ベーシックカーユーザーのすそ野の広さを想定した仕様展開は、この6代目でもワゴンRならではと言えるかもしれません。

 デビューからおよそ半年遅れで、絶対的には少数派ながら根強い需要のあるマニュアルトランスミッション車もベースグレードFAに追加設定するなど、乗り手を選ばず、幅広いニーズに応えるモデル展開をしています。

 消費税抜きでは999,000円からという価格帯の6代目ワゴンRは、今や軽自動車としても安価な部類となっています。初めてのクルマ選びにはもちろんのこと、何台も乗り継がれてきた方、あるいは複数所有されている方の日常のアシとしても必要十分な頼もしいベーシックカー。ワゴンRはそんな一台です。

【了】

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Writer: 中込健太郎(自動車ライター)

大手自動車買取販売会社で中古車流通の実務、集客、ウェブコンテンツ制作など歴任。クルマそのものについての紹介、執筆に加え、「クルマでどこへ行くか、クルマで何をするか」という、人との関わりについての考察も多数。温泉ソムリエとして、クルマだからこそ気軽に行ける温泉探しにも余念がない。モットーは「クルマはそれ自体が人と人をつなぐメディア」。

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