日産「ケンメリ」が現代に蘇る!? 印象的な「丸目4灯」はどう出来る? V35クーペベースのカスタムカーの進捗はいかに

日産京都自動車大学校は「東京オートサロン2025」に向けて新たなカスタムカーを製作しています。そのうちの1台が「NEO SKYLINE」と言いますが、現状の製作はどのような状況なのでしょうか。

徐々に形になってきた!? 現代版「ケンメリ」の進捗は?

 クルマ好きなら誰もが注目するカスタムの祭典「東京オートサロン」。例年、この場所には様々なカスタムカー/チューニングカーが集結しますが、その中には学生が手掛けたものも。

 それが現代版「ケンメリ」です。どのような個体なのでしょうか。

現代版ケンメリの現状は?(画像提供:日産京都自動車大学校)
現代版ケンメリの現状は?(画像提供:日産京都自動車大学校)

 いまや日本のカルチャーとしても定着しているクルマのカスタム/チューニング。

 それを象徴するのイベントが毎年1月に開催される「東京オートサロン」と2月に開催される「大阪オートメッセ」が代表例です。

 そんなイベントに未来の自動車業界を担う学生が手掛けたカスタムカーが例年出展されています。

 中心となるのは自動車専門学校の学生達、なかでも日産が展開する日産自動車大学校の京都校は、毎年個性のあるカスタムカーを展示しています。

 京都校にあるカスタマイズ科は、これまでも様々な日産車をベースに驚きのカスタムを展開してきました。

 最近では、東京オートサロン2024にて、「エルグランド」をベースにした「エルグランドグラシア」を製作し、多くの注目を集めています。

 そんな京都校のカスタマイズ科ですが、東京オートサロン2025に向けては「スカイライン(V35)」をベースに日産の往年の名車「ケンメリ」風に仕上げた「NEO SKYLINE」と名付けられたもの。

 もう1台は、「ステージア(M35)」をベースに「フェアレディZ」風に仕上げる「Z Lealia」というものという2台です。

 製作に関しては、国産旧車を得意とするRocky Autoがアドバイスを行っています。

 では、「NEO SKYLINE」の進捗はどのような状況なのでしょうか。

 前回の取材時にNEO SKYLINEを担当者は次のように話していました。

「NEO SKYLINEのフードは、平坦な形をしていますが、実は型から新規造形をしています。ケンメリの特徴の1つでもあるフロント部分。それを再現するには、基準となるフードを製作しなくてはなりません。

 しかし、V35スカイラインクーペの奥行きも幅も長いエンジンルームをカバーするフードとなると、既製品で探すのは難しく、木型から製作することになりました」

ヘッドライトカバーは、NEO SKYLINEを担当するデザイナーが図面を書き起こした(画像提供:日産京都自動車大学校)
ヘッドライトカバーは、NEO SKYLINEを担当するデザイナーが図面を書き起こした(画像提供:日産京都自動車大学校)

 このようにフードの造形でもこだわりを見せていましたが、今回新たにボディやパネル造形のこだわりも明らかにしてくれました。

 前出の担当者は「ケンメリらしさを出すために他も造形をしています。主な工程は、発泡ウレタンを使用し造形、FRPで型を取り、元のボディやパネルに貼るという工程です」と語ります。

 また手作業だけでなくいまの時代に沿ってデジタル領域を駆使した製作も行われているようです。

「NEO SKYLINEは、ケンメリをオマージュしつつも、今の時代に合った車両を製作するので、1からモノを作っていく作業が多いです。

 なかには、FRPでの製作が困難なモノもありますが、これは職人のような作業だけでなく、CADという3次元に製図が可能なソフトを活用し、ヘッドライトカバーやグリル部を設計・製図をしています。

 またそのデータは外注に依頼するのではなく、3Dプリンターを活用し、内製で製作していきます。

 3Dプリンターは一層ずつプリントして、それを積層していく機械で、本校の一級自動車工学科が行っている『学生フォーミュラ』という活動から借りて、この作業が可能になりました(前出の担当者)」

※ ※ ※

 なお特徴的なV35スカイラインクーペのフロント部は、徐々にケンメリの姿に近づいてきたようです。

 なかでもヘッドライトカバーは、NEO SKYLINEを担当するデザイナーが図面を書き起こして、それをとにCADでデータを起こしているといいます。

 今後もこの製作過程がどのように進んでいくのか、注目せずにはいられません。

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