マツダが「小さな高級車」を販売! 全長4mボディに“豪華内装”採用した「上級コンパクトカー」が凄い! まさかの「本革シート」まで標準装備した「ベリーサ」とは
かつてマツダは「ベリーサ」という高級志向のコンパクトカーを展開していました。同車は一体どのようなモデルで、なぜ消滅してしまったのでしょうか
マツダ本気の「高級コンパクトカー」特徴は!?
マツダを代表するコンパクトカーといえば、1996年からの伝統を持つ「デミオ(現マツダ2)」が思い当たりますが、一方でデミオとは異なる個性を備えたコンパクトカーも存在していました。
そのモデルとは、2004年に発売した「ベリーサ」というセミトールワゴンです。
同車は2代目デミオのプラットフォームを用いて開発されていますが、全長はベリーサの方がデミオよりも50mm長くなっているなど、やや大きなボディを採用。
デミオよりも高級志向のモデルとして位置づけられていたため、当時まだ珍しいアドバンスドキーを標準装備したほか、本革シートやHDD内蔵のミュージックシステムといったハイグレードな装備をオプションに用意していました。
またベリーサは乗車時の快適性にも力を入れて開発されており、車内空間は広々と確保するとともに防音材を多く使用して静音性を高めるなど、ワンランク上のコンパクトカーに相応しい構造を採用しています。
搭載するパワーユニットは、最大出力113馬力・最大トルク14.3kgf・mを発揮する1.5リッター直4エンジンに4速ATの組み合わせたもので、駆動方式はFFと4WDを設定。いずれもコンパクトカーらしい軽快な走りを披露しました。
このように、上質な内外装と静音性、高いレベルの走行性能を備えたベリーサは、2004年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」で特別賞に選出。
さらに同年12月には限定800台の限定車を発売するなど、積極的に販売台数の拡大を目指します。
しかし完全な新規モデルゆえ、知名度の低さを痛感する場面も多く、ベリーサの販売数はマツダの予想に届きません。
そもそもマツダ内で競合するデミオ自体が、走りから品質まで欠点の少ないクルマだったこともあり、そちらを選ぶユーザーも少なくありませんでした。
マツダはベリーサの魅力を増して訴求力を高めようと、当初オプション設定だった本革シートを標準装備に切り替えるなど贅沢なマイナーチェンジを積極的に繰り返しますが、残念ながら2015年には後継モデルも用意されぬままに生産が終了。
販売期間は11年と長かったものの、1代のみで姿を消した「勿体ないモデル」となってしまいました。
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