ホンダ「“充電待ち不要”なEV」がスゴイ! 「画期的なシステム」搭載&大開口スライドドア! デメリットを解決する「MEV-VAN」とは?
2024年10月に「JAPAN MOBILITY SHOW Biz week 2024」が開催予定ですが、昨年に行われた「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」にはホンダから画期的なシステムを搭載したモデルが出展されていました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
充電待ちいらずの「MEV-VAN」とは?
2024年10月15日から18日まで、幕張メッセ(千葉市美浜区)にて「JAPAN MOBILITY SHOW Biz week 2024」が開催されます。
昨年は、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(以下JMS2023)」が開催され、様々な自動車メーカーが最新モデルやコンセプトカーを披露しましたが、なかでもホンダが公開した、画期的なシステムを搭載した「次世代の軽バン」を示唆するモデルがひときわ注目を集めていました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは「MEV-VAN Concept」です。
このクルマは、商用EVの新たな可能性を示す画期的なコンセプトモデルです。
ホンダの軽商用車「N-VAN」をベースに内燃機関を排除し、ホンダ独自の着脱式バッテリーシステム「Mobile Power Pack e:(以下MPP)」を搭載したコンバートEVとなっています。
MPPは、ホンダが様々な電動モビリティや機器のために開発した着脱可能なバッテリーで、1つのMPPで1.3kWh以上の電力を蓄えることができます。
これにより、バッテリーの充電が必要になった際にも、クルマごと充電ステーションに行く必要がなく、バッテリーを交換するだけで運用を続けることができる利便性を兼ねています。
MPPはすでに、ホンダの電動ビジネスバイク「BENLY e:」や「GYRO e:」などで実際に使用されており、信頼性と実用性が証明されています。
この技術を商用車に適用することで、運送業界やビジネスシーンでの活用が期待されているのです。
パワートレインには、ガソリンエンジンの代わりに電動モーターが搭載されています。
N-VANのエンジンを取り除いたスペースには新たにモーターが設置され、燃料タンクがあった床下部分には最大8個のMPPを格納することが可能です。
これにより、商用車としての荷室の広さを保ちながら、効率的にバッテリーを収納する設計が実現されています。
8個のMPPをすべて満充電した状態での航続可能距離は約75kmとなっており、都市部での短距離配送などのニーズに十分対応できる仕様となっています。
最高出力は14kW、最高速度は70km/hで、最大積載量は250kgを誇り、軽商用車としての十分なパフォーマンスを発揮します。
なお、MEV-VAN Conceptの充電には、8個のMPPをフル充電するのに約5時間を要します。
しかし、着脱式のバッテリーシステムを採用しているため、充電が必要な際にはMPPを取り外し、あらかじめ充電されたバッテリーと交換することで、特に配送業務やサービス業務において、充電待ちによる待ち時間を最小限に抑えることができ、効率的な業務運営をサポートします。
実際に2023年11月からは、ホンダとヤマト運輸の協力により、MEV-VAN Conceptを使用した集配業務の実証実験が開始されました。
これにより、商用EVとしての実用性や運用効率を現場で検証し、さらなる改良が進められる予定です。
ホンダは、2050年までにすべての製品と企業活動においてカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げており、MEV-VAN Conceptはその取り組みの一環として、再生可能エネルギーの利用拡大や電動モビリティの推進に寄与しています。
そんなMEV-VAN Conceptですが、現時点では市販化の予定は発表されていません。
しかし、ホンダの技術とビジョンが詰まったこのモデルは、商用車の電動化が進む未来に向けた重要なステップとなるでしょう。
MPPを活用した着脱式バッテリーシステムは、業界全体に大きな影響を与える可能性があり、今後の市場動向や技術革新によって市販化への期待が高まるかもしれません。
郵便局と黒猫のご用達
もっと早くできなかったのかな
ただ、宅配はラストマイル個人委託も多いから、そう簡単に電動化できないでしょうね