2500万円のトヨタ「アルファード」が売れている!? 競合多い「高級ミニバン市場」 激化する中国で人気は意外なトヨタ巨大ミニバンだった!?

アルファードじゃない! 売れている「トヨタ巨大ミニバン」とは

 中国メーカーが相次いで新規車種を投入していることから窮地に立たされていると思いがちですが、実はかなりの健闘を見せています。

 日本メーカーのミニバンの中でもっとも売れているのは、トヨタ「シエナ」です。

 シエナは長らく北米市場を中心に販売されてきた一方、中国では並行輸入車として密かなに人気を誇っていました。

 その人気ぶりは2021年に中国での正規販売開始という形で身を結び、現在は毎月8000台ほどを販売しています。

 また、トヨタは中国で第一汽車との「一汽トヨタ」、広州汽車との「広汽トヨタ」の2つの合弁会社を展開しています。

 シエナを製造・販売しているのは広汽トヨタですが、一汽トヨタではシエナの姉妹車「グランビア」を担当しています。

 実質的には同じモデルなので、毎月7000台ほどを販売するグランビアを合算すれば、シエナシリーズは毎月1万5000台を売り上げている計算になります。

 これは大型ミニバンの車種別ランキングで首位に立つデンツァ D9よりも多い数字となります。

中国で人気のシエナ
中国で人気のシエナ

 もちろん、アルファードも依然として中国で人気です。

 輸入車となるアルファードやヴェルファイア(中国名:クラウンヴェルファイア)は関税の影響で中国での価格が89.9元(邦貨換算:約1822.7万円)からとなります。

 これに加えてディーラーが優先納車のための上乗せ料金を課すことも珍しくなく、乗り出し価格は日本円にして2500万円を超えることも。

 それでも中国では年間2万台を販売している状況なので状況はそこまで悪くはありません。

 中国の大型ミニバン市場における現況は、「装備と価格を抑えた中国EV勢」と「昔からの信頼で優位に立つ日本HEV勢」の2勢力が目立っています。

 中国メーカーのEVミニバン数多かれど、ランキング上位に立てるのはほんの一握り。

 日本勢が現状ガソリンかハイブリッドのみだとしても、その安定した品質と経済性には一定の評価がなされています。

 近い将来には日本勢によるPHEV・BEVミニバンも登場することでしょうし、ますます他との差をつけることが期待されます。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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