「えっ…!」トヨタ「“高級”ミニバン」の“中古車”が1000万円超え!? なぜ「アルファード」の相場は「新車より高い」のか
「アルファード」がエグいほどの異常“高騰”となった背景とは
前出の担当者は40系アルファードの相場が高騰する理由について、次のように説明します。
「相場高騰には、海外輸出が深く関係しています。
40系アルファードの多くは、(中古車バイヤーのみが参加できる)中古車オークションで落札されたあと、国内ではなくシンガポールやタイに輸出されていきます。
中古車を輸出する際には、年式やサビの有無など、国によってさまざまな規制が課せられています。
シンガポールやタイの場合は製造年式による規制がなく、そのためか自国で販売されないクルマ、もしくは納期が著しく長くなるクルマに対する需要がかなり高いのです」

両国ともアルファードが大人気となっているといい、現地のお金持ちのなかには「日本の程度のいい中古車(新古車)を、どれだけ高くても良いから欲しい」と考える人も少なくないそう。
そのいっぽうで、国内に出回る40系アルファードも品薄なまま推移しており、中古車価格も高値なまま続いているのです。
こうしたことからアルファードの残価率が押し上げられ、高額なのにお得に乗れるクルマとして、ますまず新車販売台数の底上げがされています。
※ ※ ※
納期待ちを伴うほどの人気モデルが国内に留まらずそのまま海外へ流出するのは、トヨタや販売店にとっても面白くない事態でしょう。
トヨタの販売店では40系アルファードのほか、兄弟車の「ヴェルファイア」や本格四輪駆動車「ランドクルーザー」など長期の納期待ちをともなうような人気車の販売契約をする際、一定期間売ることを禁止する約束を購入者と交しているといいます。
しかし前出の担当者によると、2023年6月のデビュー後まもなくして、中古車オークションで40系アルファードの極・低走行車の取り引きが確認できるようになったといいます。
もちろん約束を反故にした人に対して、今後少なくとも同様のディーラーからは購入することはできなくなります。
トヨタとしてもクルマが売れていること自体は喜ばしいことであり、どこまで規制を強めるのかは難しいところかもしれません。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど




























































































