シャープ新型「ミニバン」初公開! 市販化前提の「LDK+」なぜ誕生? 家電大手メーカーが「クルマ」に取り組む理由とは

EVはシャープの「再成長」戦略に組み込まれた「中核産業」のひとつに

 実は、シャープが5月14日に実施公表した「2023年度決算 及び 中期経営方針」の中で、その可能性について触れています。

まさに「リビング」! シャープ 新型「LDK+(エルディーケープラス)」のインテリア[撮影:桃田健史]
まさに「リビング」! シャープ 新型「LDK+(エルディーケープラス)」のインテリア[撮影:桃田健史]

 シャープは現在、事業再編の真っ只中にあり、2023年度決算での最終利益はディスプレイデバイスに関連する減損損失を計上したことにより、1499億円の赤字という状況です。

 2024年度は、構造改革によって負のサイクルから抜け出すことに注力し、次の2025年から2027年を「再成長」期と位置付け、成長モデルの確立を目指すとしています。

 成長モデルでは、シャープの「100年を超える歴史の中で培ってきた独自技術とブランド」に加えて、Foxconnの三大未来産業(EV、デジタルヘルス、ロボティクス)と三大コア技術(AI、半導体、次世代通信)の融合から生み出すとのこと。

 その結果、シャープとして「AI・次世代通信・EV」の領域を中心に、Foxconnと連携して次世代のイノベーションを探索します。

 つまり、シャープにとってのEVは、次世代シャープの中核事業だと言えるでしょう。

 また、EVの量産時期については未発表です。

 Foxconnといえば、アップルなどアメリカの大手メーカーのPC(パーソナルコンピュータ)のマザーボードや日米のゲーム機器、そしてスマートフォンの委託生産などによって急成長した企業。

 EVについても自社で研究開発を進め、一時はアップルのEVモデルとして世間を賑わせた「アップルカー」を「Foxconnが生産するのではないか」という憶測が広がったものです。

 そうした中、2021年にはFoxconn自社EVのコンセプトモデルが複数登場し、そうしたEVプラットフォーム技術を今回、シャープが活用するのです。

 気になるのは、販売方法です。

 現時点で販売に関する確定したアイディアはない模様ですが、一般論としては、韓国ヒョンデが日本で行っているようなオンライン販売や、中国BYDのような独自ディーラー網づくりが考えられるかもしれません。

 筆者(桃田健史)の私見としては、シャープとしてすでに商品化している太陽光パネル、家電、V2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)などとEVが連携する、エネルギーマネージメント事業を、シャープ自身がサービサーになることがあり得ると思います。

 そうしたエネルギーマネージメントのトータルサービスの中にEVを組み込むという、これまでの自動車メーカーが「いまひとつ深入りできていないビジネス領域」に、シャープの勝ち筋があるのかもしれません。

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1件のコメント

  1. このデザインで行くと、フロントホイルハウス部分で運転席の足置き場所が無いような?・・

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