日産「セレナ」が異例の値下げ!? クルマの価格がどんどん上がる! 欲しいクルマは“なる早”で買うべき理由とは
欲しいクルマはなるべく早く買ったほうがいい!
値上げの理由を各メーカーの開発者に尋ねると「原材料費や輸送費が世界的に高騰して、値上げせざるを得ません」という返答が多く、さらに「原材料費や輸送費の高騰はとても激しく、値上げ幅を上まわります」という話も聞かれます。
つまり「値上げされた金額は最小限度」という説明です。
確かに昨今は、さまざまな商品が値上げされています。電気料金は約6年前に比べて20~30%高くなりました。車両価格の値上げは5~15%ですから、比率としては少ないですが、価格自体が高いので値上げ額は高額です。
値上げのタイミングで、特に注意する必要があるのは、先に述べた一部改良です。単純な値上げは目立つため、改良に絡めて金額を上乗せします。一種の「便乗値上げ」ともいえるでしょう。
これまでは、改良前よりも後の方が商品力が高まって買い得度も強まると感じられましたが、昨今は逆に割高感が生じることもあります。ボディカラーを追加したりデザインの一部が変わった程度で、価格が数万円も上がるなら、改良前の方が買い得といえるでしょう。
そして、この原材料費や輸送費の高騰は、今後短期間で終息することはないと思われます。そうなると欲しいクルマは、なるべく早く買っておくのが得策です。
ライバル車に先駆けて最初に値上げに踏み切るのは、価格競争力の低下を招くために勇気が必要ですが、現在のように価格の上乗せが当たり前になると状況も変わります。ライバル車の動向を横目で見ながら、改良の度に、さまざまな車種が価格を高めていくのです。
従って新車を買う時期を早めたいですが、給与は伸び悩み、高額商品のクルマを簡単に購入することはできません。そうなると愛車の車検を改めて通して乗り続けたり、コンパクトな車種に乗り替えることになります。
このように考えると、新車の売れ行きが伸び悩んだり、ダウンサイジングが進んで軽自動車の販売比率が増えることも納得できます。
まもなく登場予定のスズキ新型「スペーシアギア」やホンダ新型「N-BOXジョイ」など最新の軽自動車は、予約受注を実施している価格を見ると、敢えて割安な設定に抑えているようです。
これはピンチをチャンスに変える、したたかな価格戦略ともいえるでしょう。そうなると今後、軽自動車の販売比率は、ますます増えるものと思われます。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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