1000馬力超え! スバル新型「“和製”スーパーマシン」! 「ヤマハ製パワトレ」搭載で“最速”目指す「STI E-RA」とは
「STI E-RA」は、2022年1月に開催された「東京オートサロン」で初公開されたスバルが開発したコンセプトカーです。なんと1000馬力超えのモンスターマシンだといいますが、どのようなクルマなのでしょうか。
1000馬力越えのスバル「STI E-RA」とは?
「STI E-RA」は、2022年1月に開催された「東京オートサロン」で初公開されたスバルが開発したコンセプトカーだ。
車名のE-RA(イーアールエー)は、電気自動車であるElectricの頭文字と、Record Attempt(記録挑戦)を組み合わせたもの。RAは、初代レガシィの世界速度記録挑戦以来、記録に挑む車両につけられたネーミングとなってきた。
スバルテクニカインターナショナル(以下STI)が、地球温暖化対策を主としたカーボンニュートラルな時代を見据え、モータースポーツの世界における新しい技術の経験と修練を目的に、STI近未来モータースポーツ スタディプロジェクト 「STI E-RA CHALLENGE PROJECT」を立ち上げた。
このプロジェクトで開発が進められてきたのが、この「STI E-RA」(コンセプトカー)である。
ヤマハ発動機と共同開発したモーターの最大出力は、なんと800kW(1088PS)、最大トルクも1100Nmと、とんでもないパワーを叩き出すモンスターである。
「走りの愉しさ」「絶対的な安心感」といったSUBARUらしさを、STIがより際立たせるため、SUBARUの強みである「全輪制御技術」の知見を活用し、このとてつもない1000馬力オーバーの高出力を、新たに採用する独自の4モーター4輪トルクベクタリング技術で制御しているのである。
このモーターは、ハイパーEV向けギア、インバーター一体式大トルク高回転タイプが採用され、蓄電量60kWhのリチウムイオンバッテリーで駆動する。
独自の4モーター4輪トルクベクタリングシステムは、走りの愉しさを最重要課題としたドライバー志向の制御で、4輪それぞれのグリップ限界までバランスを均等化させることで、グリップレベルを最大限に引き上げ、車体の姿勢を安定させることができる。
最大の効果を得るため、荷重移動に伴って最適な駆動トルクを4輪に独立に与え、車輪速、車速、舵角、G、ヨーレート、ブレーキ圧、輪荷重など、各種センサーからの信号をリアルタイムに計算し、目標のスタビリティファクターになるよう各輪の駆動制動トルクを決めてインバーターに指示を出しているという。
4輪へダイレクトにモーターが付いているが故に高い応答性が得られ、かつ車体のヨーを直接的にコントロールできるこの構造は、運動性能を最大化できるシステムといえよう。
ボディサイズは、全長5010mm、全幅2000mm、全高1310mm、ホイールベース2690mmとなっている。
なんとこのモデルは、国内サーキットを含む走行実験を重ねたのち、ニュルブルクリンクサーキット(北コース)でのタイムアタックで、ラップタイム400秒(6分40秒)に挑戦するというのだ。
ニュルブルクリンクサーキットの北コースといえば、全長20.832kmにわたる世界で最長のサーキットコースだ。山間に渡って約300mに及ぶ激しい高低差が繰り返す変化に富んだレイアウトで、コーナーも170以上ある。雨や濃霧などの急な天候の変化によるコンディション格差が大きいことで知られる。それだけ事故も多い。
間違いなく、世界で最も難易度の高いサーキットコースだ。
だからこそ、世界中の自動車メーカーが、最高レベルのクルマを持ち込んで、スポーツカーとしての限界性能をここで試すわけである。
これまでの北コースにおけるコースレコードは、メルセデス・ベンツ「AMG-One」の395秒を筆頭に、ポルシェ「911 GT2 RS」の398秒、マクラーレン「P1 LM」の403秒と続く(2023年時点)。
スバルの、しかもSTIという企業規模で、メルセデス・ベンツやポルシェ、マクラーレンと互角で戦えるクルマが仕上がったとすれば、それは間違いなく快挙である。STIには、日本の底力ってやつを是非見せてもらいたい。
誰もが安全で快適に、どこまでも走りたくなるクルマを創り続ける、だけでなく、脱炭素社会においてもクルマが愉しいものであり続け、クルマが人生を豊かにするものであり続けるために、スバルそしてSTIにはこれからもチャレンジをし続けてほしいものだ。
チョンマゲが日本感を表しているのかw