トヨタの「次世代BEV」開発がさらに加速か!? 経産省から認定、どういうこと?

トヨタは現在取り組んでいる次世代BEV向け電池と全固体電池の開発・生産に向けた「蓄電池に係る供給確保計画」が経済産業省より認定されたことを発表しました。

経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定、どういうこと?

 トヨタは2024年9月6日に、2026年導入予定の「次世代電気自動車(以下、次世代BEV)」などへの搭載を目指している「次世代電池(パフォーマンス版)」と、「全固体電池」の開発・生産計画について、経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定されたことを発表しました。

2026年導入予定の次世代BEVコンセプトモデル「LF-ZC」
2026年導入予定の次世代BEVコンセプトモデル「LF-ZC」

 2026年導入予定の次世代BEVは、「ジャパンモビリティショー2023」でお披露目された「LF-ZC」などを指しており、今後複数モデルが展開される予定です。

 また次世代電池(パフォーマンス版)とは、2023年6月に公開されたトヨタが展開するバッテリーシリーズとなる「次世代電池(パフォーマンス版)」「次世代電池(普及版)」「バイポーラ型リチウムイオン電池(ハイパフォーマンス版)」「全固体電池」のひとつです。

 そのなかで次世代電池(パフォーマンス版)の特徴は、角形電池となり、電池のエネルギー密度を高めながら、空力や軽量化などの車両効率向上により航続距離を伸ばし、現行「bZ4X」と比べてコストは20%減、急速充電20分以下(SOC=10-80%)を目指すとしています。

 なお前述の2026年に導入される次世代BEVに搭載された場合、航続距離1000kmの実現すると明かしていました。

 全固体電池は、これまでの課題だった電池の耐久性を克服する技術的ブレイクスルーを発見。現在量産に向けた工法を開発中だと言い2027-2028年の実用化にチャレンジしているようです。

 その目指す性能は、前述の次世代電池(パフォーマンス版)と比べて航続距離20%向上、急速充電は10分以下(SOC=10-80%)を目指すとしています。

 なお、さらにはもう一段レベルアップした仕様も同時に研究開発中だと言い、これは次世代電池(パフォーマンス版)と比べて航続距離50%向上を目指すようです。

 今回、経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定された計画は、「次世代電池(パフォーマンス版)のプライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社(以下、PPES)での生産」、「プライムアースEVエナジー株式会社(以下、PEVE)での生産」、「全固体電池の開発・生産計画」となっています。

 経済産業省が定める「蓄電池に係る安定供給確保を図るための取組方針」は、経済安全保障推進法に基づき、特定重要物資として指定した蓄電池に関して、蓄電池・部素材・製造装置の生産基盤強化を図るもの。

 なお蓄電池産業は装置産業であり、大型設備への大規模投資が必要となり、設備業界や材料メーカーなどサプライチェーンを含む日本の蓄電池産業は、製造能力と技術を維持・向上するため、政府から支援を受けています。

 こうした動きについて、トヨタは「引き続き日本における電池開発・生産を進めることで、日本の産業のさらなる発展と蓄電池の生産基盤強化に貢献していくとともに、電池の競争力を高めることで電動車の商品力を高め、マルチパスウェイを軸にしたカーボンニュートラルの実現を目指していきます」と説明しています。

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