「“ステーション”ワゴン」はなぜ名前に「駅」がついている? 電車じゃないのに? アメリカ起源の由来とは?
「SUV」のどこが「スポーツ」なの?
ステーションワゴンが下火となっている背景に、SUVの台頭があるのは先ほど説明したとおりです。
SUVは「スポーツ・ユーテリティ・ヴィークル(Sport Utility Vehicle)」の頭文字をとったものであり、日本語では「スポーツ用多目的車」などと表現されます。
確かに、近年のSUVのなかには高い走行性能を持つモデルもありますが、ほとんどのSUVはどちらかといえばスポーティなクルマではありません。
そのため、インターネット上には「SUVのどこが“スポーツ”なの?」という疑問の声も見られます。
実は、このSUVという言葉の起源もかつてのアメリカに由来しています。
SUVという言葉が一般化したのは1960年代のアメリカとされていますが、当初のSUVはピックアップトラックの荷台を屋根でおおって居住性を持たせたものでした。
アメリカにおけるピックアップトラックは、普段の移動はもちろん、農作業や土木作業などの業務用途にも利用できる、まさに「ユーテリティ・ヴィークル(=多目的車)」という位置付けでした。
一方、荷台が屋根で覆われたSUVは、農作業や土木作業というよりも、釣りやキャンプ、スキーなどのレジャーに向いていたことから、単なる「ユーテリティ・ヴィークル(=多目的車)」ではなく、「スポーツ」という言葉をくわえて、既存のものと区別されることになったようです。
日本では、「運動競技」といった意味合いの強い「スポーツ」ですが、英語では「趣味やレジャーなどを楽しむこと」という広い意味でも用いられます。
つまり、「SUV」における「スポーツ」は「運動性能が高いこと」や「競技用車両」を意味するわけではなく、「趣味やレジャーを楽しむことができる、どんな用途にもマッチしたクルマ」という意味を持っているのです。
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車検証を見ると、ほとんどのSUVは「車体の形状」欄に「ステーションワゴン」と表記されています。
このことからもわかるように、ステーションワゴンとSUVの間に明確な違いがあるわけではなく、実際にはメーカーやユーザーによる便宜的な区分けにすぎません。
また、近年ではスバル「レヴォーグ レイバック」のように、ステーションワゴンとSUVの間をとったようなボディタイプも登場しています。
このように考えると、今後全く新しいボディタイプのクルマが登場するかもしれません。
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