スズキ最新型「快適軽ワゴン」なぜ人気? 「画期的シート」に“圧倒的安さ”がスゴい! 新「SUV仕様」もまもなく登場! 「スペーシア」めちゃ売れてる理由とは
人気急上昇中のスズキ「スペーシア」はなぜ支持されているのでしょうか。
大躍進の「スペーシア」なぜ人気なのか
いま、軽乗用車で人気ナンバーワン、そして軽自動車以外の乗用車も含めてもっとも売れているモデルといえばホンダ「N-BOX」。
ですが、ここへきてそれに迫る車種があるのをご存じでしょうか。
面白い数字があります。今年上半期(2024年1月から6月まで)の販売台数を昨年と比較したものです。
半年で10万680台を販売し軽自動車で販売台数トップとなるN-BOXですが、昨年(2023年)の同時期の販売台数と比べると89.7%と販売量は減少傾向。
いっぽう“あるクルマ”は、昨年比ではなんと140.4%という驚異的な伸びを実現。今年上半期の販売台数は8万4368台とN-BOXには届きませんでしたが、その伸び方には驚くしかありません。
そのクルマとはスズキ「スペーシア」。N-BOXの“ガチライバル”となるスーパーハイトワゴンです。果たして、人気急上昇中のスペーシアの魅力や人気の理由はどこにあるのでしょう。
まずは、目立つ装備が充実していることです。N-BOXもスペーシアも基本装備は充実していますが、カタログを賑わせる装備として両者のうちスペーシアだけに備わるのが「リアサーキュレーター」と「リアシート座面前端のフラップ」。
前者はエアコンの風を後席へ送るための機能で、後者は後席を快適にする&後席座面に荷物を置く際に役立つ便利機能です。
N-BOXの開発者は「リアサーキュレーターがなくてもエアコンの風が後席までしっかり届くように工夫している」と言いますが、やはり見た目でわかる装備のほうがユーザーへのアピール度は高いでしょう。
後席座面のフラップはライバルにはないスペーシアの独自装備で、確かにあると便利です。これもユーザーに「いいな」と思わせる力は大きいのです。
そして何を隠そう、スペーシアは燃費番長。
スペーシアの自然吸気エンジン搭載するFFモデルの燃費(WLTCモード燃費)は23.9~25.1km/Lで、これはN-BOXの21.6km/Lやダイハツ「タント」の22.7km/Lを超えるもの。
昨今、どのクルマも燃費が底上げされたこともあって、購入者はクルマ選びの際にかつてほどカタログの燃費数値を気にしない傾向ですが、こうして数値を比べてみるとスペーシアの燃費成績は素晴らしいものなのです。
そして、なんといっても価格でしょう。
N-BOX(カスタムではない通常タイプのFF車)の価格帯(消費税込)は164万8900円から174万7900円。いっぽうスペーシアは153万100円から170万5000円と明確に安いのです。
装備の差もあるので単純比較はできないとしても、ベーシックグレードで10万円近い価格差があるのは、軽自動車を買う時に少なくない“差額”といっていいのではないでしょうか。
もちろん、冒頭で触れたように純粋な販売台数ではN-BOXが上位にあり、多くの人に評価されているのはスペーシアよりもN-BOXと判断できます。
しかし、昨年冬のフルモデルチェンジ(N-BOXもスペーシアも昨年の冬にフルモデルチェンジを受けて新型へ切り替わっている)以降の実績を見ると、トップを走るN-BOXをスペーシアが猛烈な勢いで追いかけているという図式が見えてくるのです。
この先、スペーシアには「スペーシアギア」というクロスオーバーSUVモデルの新型登場が予告されているほか、N-BOXにも同様のモデルのデビューが噂されています。
それらが加わったのちに、販売台数がどう変化していくのかが興味深いところです。
もしかするとN-BOXの販売がやや減少しているのは、従来型には存在しなかった“そのモデル”の登場待ちなのかもしれません。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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