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通行できるのは「1日合計7時間」だけ!? 構造も不思議な橋のヒミツ

 また、陸上交通を水上交通と両立させるために可動橋としたことで、他には見られない独自の特徴があります。

通行可能時の手結港可動橋(画像:Google Earth)。
通行可能時の手結港可動橋(画像:Google Earth)。

 最も特徴的なのはその開閉間隔です。当然ずっと開いたままや閉じたままでは意味がないため、閉じている時間、すなわち道路として通行できる時間が規定されているのです。

 具体的には6時30分〜8時、9時〜10時、11時〜12時、13時〜14時30分、15時〜16時、17時〜18時だけで、道路としてヒトやクルマが通行できるのは1日で合計7時間のみです。

 橋の両端には踏切と同じ警報器と遮断機が設置されており、警報機がなり始めると遮断機が下り、2基の油圧シリンダーによって橋はゆっくり上がり始めます。この作業により開閉に要する時間は約6分です。

 なお、手結港の付近には迂回ルートがあり、手結港可動橋を通行しなくても夜須町の南北を行き来することができます。

 ところで、船舶を通すための可動橋の形式は跳開橋だけでなく、橋桁が水平方向に回転する旋回橋という選択肢もあります。また、跳開橋のなかにも手結港可動橋のように片側だけ開く一葉跳開橋に対して、両側が観音開きのように開く二葉跳開橋もあります。

 そのなかで、橋を設置する際に一葉跳開橋という形になったのはどういった経緯によるものなのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「まず固定橋と可動橋の比較検討を行い、可動橋案を採用いたしました。

 次に可動形式について、わが国最初の堀込み港湾であり350年以上続く歴史港湾との景観にマッチすること・機能性・経済性・航行船舶の安全性などの比較検討を行った結果、片跳式の可動橋を採用することとなりました」

※ ※ ※

 港湾の歴史と水上と陸上双方の利用者の利便性を鑑みた結果、空から道路が落ちてきたような非現実的な光景が生まれたようです。手結港可動橋を訪れる際は、光景が生まれた経緯にも思いを馳せてみると良いかもしれません。

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