街にあふれるトヨタ「ハリアー」“高額車”なのにみんなどうやって買ってるの? 実は「安く買える秘訣」存在? ほぼ半数が選ぶ「意外な購入方法」とは
ハリアーがほかのSUVより優れているところとは
それにしてもトヨタには、ハリアー以外にも売れ筋の価格帯が300万円を超えるSUVが数多く用意されています。
「クラウン」のSUVモデルとして登場した「クラウンクロスオーバー」は2022年7月、「クラウンスポーツ」は2023年10月と設計が新しいですが、これらのクラウンシリーズを合計した登録台数よりもハリアーの方が多く売れています。
この点について、前出のトヨタの販売店スタッフは次のようにコメント。
「ハリアーはボディサイズの割に荷室などを広く確保しています。
クラウンクロスオーバーはトランクスペースを備えたセダンボディですから、リアゲートを備えたハリアーの方が荷物を積みやすいです。
クラウンスポーツならリアゲートを備えていますが、ゴルフバッグを横向きに積もうとすると収まりにくい。その点でハリアーならスッポリ入ります。価格もハリアーが安いです」
ハリアーの全長は4740mm、全幅は1855mmで、荷室容量は409リットルです。対するクラウンスポーツは、全長が4720mm、全幅は1880mmで、荷室容量は397リットルです。大きな差はないですが、荷室形状の違いにより、ハリアーの方が荷物を積みやすいようです。
販売店の指摘通り、価格の違いも大きいでしょう。ハリアーの主力グレードになるハイブリッドGの価格は、前述の411万9000円ですが、クラウンクロスオーバーの価格はさらに高いです。
ハリアーと基本的に共通の2.5リッター直列4気筒ハイブリッドを搭載した最も安価な「X」でも440万円になり、中級の「G」は515万円です。
クラウンスポーツは、グレードが2種類に限られ、安価な2.5リッター直列4気筒ハイブリッドの「Z」でも590万円に達します。
クラウンクロスオーバーとクラウンスポーツは、すべてのグレードに4WDと後輪操舵の機能を装着したこともあって価格が高くなっているのです。
さらにハリアーには、前述のように2リッター直列4気筒ガソリンエンジン車もあります。価格はすべて300万円以上ですが、Sは312万8000円に収まるため、クラウンクロスオーバーやクラウンスポーツの400万円から600万円に比べると大幅に安いです。
またトヨタには、「ランドクルーザー70/250/300」という悪路向けのSUVも用意されています。
現行モデルの発売は300が2021年、70は2023年、250は2024年と新しいですが、購入しにくいのが実情です。
複数の販売店に問い合わせたところ「70と300は、納期が延びた結果、今は受注を停止しています。250は購入のための受注は停止していますが、(定額制カーリースの)KINTOを利用すれば、乗ることができます」と返答されました。
ランドクルーザーを購入しにくいことも、ハリアーに目が向く理由のひとつでしょう。
ハリアーの納期を販売店に尋ねると「プラグインハイブリッドは約5か月を要しますが、ガソリンエンジンとハイブリッドなら2~3か月で納車できます」とのこと。
クルマ造りが価格の割に上質で、適切な納期で購入できる安心感は、トヨタ車の本質といえます。
そのために市場の評価も高く、常に販売ランキングの上位に入るのでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
タイトルに違和感あり。半数の人が選ぶなら、その方法は「意外」とは言えないと思う。
ハリアーを一括で買って、13年乗るつもりです。大半が5年で乗り替えるって本当かな。
長く乗る方が安上がりなのに、物価高のご時世でそんな金のかかる買い方できる人って少ないと思うけど。