意外と簡単!?「アクアライン6車線化」実現なるか 開通から約30年の「大渋滞区間」千葉県が国へ「検討して」熱い要望は実るか
千葉県は2024年6月、国に対して、2025年度を見据えた「国の施策に対する重点提案・要望」を行いました。その中で県は「東京湾アクアライン」を拡幅する「6車線化」にも触れています。
橋もトンネルも「6車線化」可能か
千葉県は2024年6月、国に対して、2025年度を見据えた「国の施策に対する重点提案・要望」を行いました。
その中で県は「東京湾アクアライン」を拡幅する「6車線化」にも触れています。
東京湾アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を直結する有料道路で、1997年に開通しました。
それまで両県は対岸に位置しながら、陸路でぐるりと100km近く大回りするしかなく、気軽に移動できる距離感ではありませんでした。海を一気に超える橋とトンネルにより、房総半島の交通ネットワークは根本から変化することになりました。
それから30年近くが経過し、アクアラインは朝夕を中心に大渋滞となり、課題となっています。特に土休日の「帰宅ラッシュ」である川崎方面行きは、一般道から木更津料金所へ入るまでの大行列も見られ、本線上もノロノロ運転が続く状況です。
その解決策として、千葉県は昨年から引き続き「6車線化」を求めています。そもそもそんなことは可能なのでしょうか。
現在の川崎側「アクアトンネル」は、2本のシールドトンネルで2車線ずつを通しています。これを6車線化しようとすれば、もう1本のトンネルを通せば、合計6車線が確保でき、片側3車線が実現します。
実は、そのトンネルを通す「余地」は、トンネル北側(木更津方面側の隣)に確保されています。川崎側からトンネルへ入っていく場合は左手に、海ほたる側から川崎方面へ入る場合は右手に、「謎のトンネル入口」があるのがわかります。これが「3本目のトンネル」の準備施設なのです。
さらに、木更津側「アクアブリッジ」を航空写真で見ると、橋脚がきちんと「拡幅用」に飛び出しているのがわかります。いつか拡幅する際に、橋桁を置けばいいように、準備済みなのです。
県は要望書のなかで「アクアラインの6車線化など、交通容量の拡充方策について、中長期的な視点から検討すること」としています。
「など」の部分にどんな含みを持たせているのかは不明ですが、第2ルートや8車線以上など、想定以上の構想が浮上する可能性もゼロではありません。実際、横須賀~富津をむすぶ「東京湾口道路」も、沿線自治体による会議が再開されるなど、その機運が高まっています。
これまで「時間帯別料金」の導入で交通分散させるなど、ソフト面での渋滞対策でしのいできた東京湾アクアライン。さらなる混雑緩和の「抜本対策」として、「新トンネル」整備が具体化するのはいつになるのか、今後の動向に注目です。
アクアブリッジについては、事実誤認が見て取れます。
アクアトンネルについては、3本目のトンネルは準備と一部掘削がされています。
しかしアクアブリッジは、6車線を見据えた設計ではあるものの、記事内で指摘されている構造物は橋脚に船舶が衝突するのを防ぐコンクリートの構造物で、橋脚ではありません。
記事内で指摘した構造物が拡幅を見越した橋脚であるなら、全線にわたって見られなければならないにも関わらず、航空写真では船舶航行用に橋が持ち上げられた部分にしかありません。
現物を観察しても、そのような橋脚ではないことが分かります。
6車線化の際は、新東名と同様に既存の橋桁を拡幅する工法が採られるものと思われ、日経のアクアラインを扱ったWEB記事でも同様の記述があります。