新車で買える!? 三菱「最新型コルト」あった! 斬新「ダイナミック顔」に進化した“ミニステーションワゴン”「コルトプラス」とは

2012年に日本で販売を終えた三菱「コルトプラス」をまだ生産している国があります。しかもその外観はまったく違う姿に進化しているとのこと。現在も販売中のコルトプラスは、どんなクルマなのでしょうか。

コルトの「ミニステーションワゴン」、その名もコルトプラス

 現在はSUVやミニバンの販売を主とする三菱ですが、かつてはセダンモデルやハッチバックモデルもラインナップしていました。その1つが2002年に登場したハッチバックモデルの「コルト」です。

コルトプラスまだ売ってたの!?
コルトプラスまだ売ってたの!?

 コルトという名称は1963年登場のコルトで初めて見られ、1969年には初代「ギャラン」が「コルトギャラン」を名乗ったのち、「ミラージュ」の海外向け車名として用いられていました。

 そして2002年、当時提携していたダイムラー・クライスラー傘下のスマートが作っていた初代「フォーフォー」の兄弟車として、コルトの生産がスタート。その名が久しぶりに国内でも復活しました。

 2004年には、コルトのリア部分を300mm延長してラゲッジスペースを拡大したミニステーションワゴンのコルトプラスを発売。

 キャッチコピーに「まじめ まじめ まじめ」と謳うほどに、基本に忠実でパッケージや走りをソツなくまとめたコルトに、さらに使い勝手の良さを付加した佳作車でした。

 特に「エレクトリックテールゲート」という、このクラスでは初となる電動式テールゲートの採用も話題を呼びました。

 コンパクトなステーションワゴンとして魅力的なコルトプラスは、2007年から台湾の「中華汽車」でも生産をスタート。

 しかしその後2012年にコルトプラスが、さらに翌年にはコルトも日本向けでの販売を終えています。

 コルトの後は、2012年発表の5代目ミラージュが継ぐこととなりました。

 一方で台湾のコルトプラスは、その後も生産を継続し、独自路線を歩み始めます。

 2008年に台湾オリジナルのスポーティバージョンの「iO(イオ)」を追加。2011年の小改良ではコルトプラス全体でバンパーの意匠を変更していますが、この際、iOは専用デザインのバンパーを採用しました。

さらに2013年、ボディパネルまで変更する大掛かりなマイナーチェンジを実施。大人しかった前後のデザインは派手目な造形に、平滑だったボディサイドにはキャラクターラインが彫り込まれたことで、別のクルマのような印象に変わりました。

 内装にも手が入れられており、従来モデルの印象を残しつつも各部のデザインをブラッシュアップしていました。

 2015年には、クロスオーバーSUVブームがコルトプラスにも波及。樹脂製のオーバーフェンダーやボディ下部のガードパネル、ルーフレールを備えた「X Sport」も出現しました。

 その後も中華汽車はコルトプラスに改良を加えていきます。

 中でも2017年に行ったマイナーチェンジも大規模なもので、台湾オリジナルのランサー「グランドランサー」に似たフロントマスクを獲得。ダイナミックシールドフェイスとなって一気にシャープな印象となりました。

 2度にわたる大きな外観変更を受けた台湾のコルトプラスは、リアから見るとテールゲートの周辺にコルトプラスの面影が見られますが、「これはコルトプラスです」と言われてもにわかには信じられない劇的チェンジを遂げています。

斜め前から見ると、まったく新しいクルマに見えるほどです。

 なおインテリアに大きな変化はありませんが、メーターがフル液晶式に置き換えられたほか、安全装備の充実が図られており、現代のクルマの水準に合わせた発展を受けていることがわかります。

 日本ではもう売っていないけれど、海外では存命中というクルマは、過去・現在を含めいくつか存在しており、これは日本に限ったことではなく欧米のクルマにも見られます。

 その多くが、生産国ごとで独自の進化・発展を遂げているのですが、中にはコルトプラスのように「魔改造」と呼べるような内外装に変化した事例もあり、興味は尽きません。

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Writer: 遠藤イヅル

1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。

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