1200万円のトヨタ新「どこでも車中泊仕様」初公開! 2階建“豪華”ホテル!? 斬新内装の「アストラーレGX4」とは
キャンピングカービルダーのバンテックは2024年7月16日、新型キャンピングカー「ASTRARE(アストラーレ) GX4」のティザー画像を先行公開。7月20日開幕の「東京キャンピングカーショー2024」で実車を初公開します。
2025年2月発売目指す、新たな「ハイラックスキャンパー」とは
2024年7月20日・21日に有明・東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2024」。
ここでは衝撃的なトヨタ「ハイラックス」ベースのキャンパーが登場しました。
いま日本の自動車市場で盛り上がっているカテゴリーと言えば、ピックアップトラック。
トヨタ「ハイラックス」に続き、新世代の性能を持った三菱「トライトン」が日本でデビューしたことから、世代を問わず注目されています。
この動きに合わせて、活発化しているのがキャンピングカー業界です。
キャンピングカー市場では、半世紀前からピックアップトラックの荷台にキャンパーシェルを載せた“トラキャン”というカテゴリーがあります。
シェルを載せるため、使わない時は降ろして、トラックとして使用できるというメリットを持っています。
しかし昨年の「ジャパンキャンピングカーショー2023」において、ダイレクトカーズが「BR75」というハイラックスべースのキャブコンバージョン・キャンピングカーを発表。
豪華な装備、車内と居住スペースを隔てないシームレスな空間が話題を呼びました。
そして、有明・東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2024」で、さらに衝撃的なハイラックスベースのキャンパーが登場しました。
造ったのは、トラック架装のメーカーで、同時にキャピングカービルダーの「バンテック」。
会場に展示されたのは「アストラーレGX4」というモデルで、ハイラックスをベースにしています。
BR75と同じキャブコンで、車内から後部のキャンパーシェル内に直接アプローチが可能です。
しかし、GX4の各部には革新的な部分が多数隠されています。
まずシェル部分ですが、FRPでできた壁面をよく見ると、前部やサイド部分のディンプルや複雑な模様が刻まれていることが分かります。
このモデルの開発責任者によれば、これらは空力性能を高めるためのもので、走行中の挙動の安定に効果を発揮します。
長年、トラックの空力パーツを製造してきた同社ならではのノウハウと言えるのではないでしょうか。
しかし、このモデルが革新的なのは外観のスタイリッシュさだけではありません。
後部のエントラントから中に入ると、そこはまるでトラックベースのキャブコンのような居住スペース。
左手にはシンク&キッチン、右手にはトイレ&シャワールームがあり、正面にはくつろぐダイネット空間があります。
特徴的なのはバンク部分(ハイラックスの頭上空間)で、ベッドマットをスライドさせてできるベンチシートを備えていることです。
バンクは通常、就寝スペースか物置き場所として活用することが多いのですが、ハイラックスの車内空間を上手に利用することで、キャンパー側のくつろぎスペースに転用しているのは、さすがバンテックと言えるでしょう。
さらに、トイレ&シャワースペースにも驚きの機能が。
ドアを開けた瞬間は、“ちょっと狭いな”と感じるのですが、なんと部屋を仕切っている壁がスライドして、約2倍の広さにトランスフォーム。
これなら、ゆっくりとトイレでくつろぐことができます。
このモデルはとにかく、限れた空間を最大限に活かしており、まるでトラックベースのキャブコンのような広さを感じさせること。
また、各部のデザインが洗練されており、まるでラグジュアリーなホテルの部屋にいるような錯覚を覚えます。
加えて、伝送設備を簡略化し、エアフロー製のポータブル電源やポータブルクーラーを装備することで、ユーザーへの金銭的な負担を減らしていることも特徴です。
実はアストラーレGX4、すでにハイラックスの生産国タイでは発売されています。
十分な実績と評価を持っていますが、日本のユーザーのニーズを再検証し、各部をブラッシュアップしているといいます。
展示された車両もまだ試作車で、完成までさらに各部を改善するということでした。
ちなみに気になる価格は、約1200万円から。
トヨタ「カムロード」ベースのキャブコンよりも優れた動力性能と悪路走破性を持っていること、豪華で快適な車内であることを考えれば、あながち高いと言えないのではないでしょうか。
日本での発売は2025年2月を目指しているということで、シェル内の保安基準の適合などを進めていくということです。
キャブコンの新しい可能性をBR75が提案しましたが、アストラーレGX4はさらにピックアップトラックベースキャンパーの世界を広げてくれそうです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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