スズキが新「ジムニー“XL”」発表! “旧車風デザイン”の「カクカクSUV」 レトロ仕様&素仕様の5ドアも!? 日本販売は? 海外事情とは
2023年に発売され注目を集めているスズキ「5ドアジムニー」ですが、現在グローバル市場ではどのような状況なのでしょうか。
海外ではピックアップトラックの発売も!? 日本より遙かに先に行く「ジムニの海外事情」とは
スズキは、5ドアの「ジムニーXL ヘリテージ仕様」を5月15日にオーストラリアで、同じく5ドアの「ジムニー」を5月29日にインドネシアで発売してます。
2023年に発売され注目を集めている5ドアジムニーですが、現在どのような状況なのでしょうか。
2018年にデビューして以来、世界に市場を拡大しているスズキ「ジムニー」シリーズ。
現行モデルは、スクエアなデザインが特徴でその個性的な見た目から若い世代や女性層からも人気です。
日本でのラインナップは、軽自動車規格の「ジムニー(660cc)」と小型車規格の「ジムニーシエラ(1500cc)」という2モデルが設定されています。
一方で海外はジムニーの名前で1500cc版ののみが販売されています。
また国や地域によって、設定される仕様も異なります。
例えば、デビュー直後からドイツ、イギリスなど欧州で販売を開始しましたが、当地のニーズから2シーターという仕様になっています。
特にイギリスは排ガス規制の関係で、後から2シーター仕様になったという経緯があります。
一方、オーストラリアはほぼ日本と同じ仕様で販売されていましたが、現地法人が独自の仕様を次々と追加。
特に日本のユーザーの垂涎の的となっているのが、ピックアップトラック仕様です。
これはオーストラリアの販売会社が、現地の架装会社に依頼して製造したものですが、その完成度は非常に高いといえます。
農業が基幹産業であるオーストラリアでは、人気の高いバリエーションになっています。
ジムニーの海外市場でのさらなる需要拡大を実現したのが、2023年に発売された「ジムニー5ドア」です。
生産国であるインドを皮切りに、インドネシア、フィリピンといったアジア地域、メキシコ、そしてオーストラリアで販売されています。
ちなみにオーストラリアでのモデル名は「ジムニーXL」として、3ドアモデルと差別化を行っています。
一方で日本での発売開始は一向に先行きが見えてきませんが、かつてジムニーが大ヒットを記録した国・アメリカでの復活が囁かれています。
ジムニーはアメリカで「サムライ」の名前で1995年まで販売されていましたが、横転しやすいという偏向記事の影響で、スズキ車全体がアメリカ市場を撤退するという事態になりました。
しかし、未だにジムニーの人気は高く、SNSなどでは復活を望む声が多くあります。
アメリカの自動車専門サイトの中には、当地ではオートバイやATV、ボートなどスズキ製品の人気が高いこともあって、ジムニー復活を模索しているという報道も。
このニュースによれば、スズキが東京オートサロン2019に出展したジムニー・ピックアップトラックとジムニーEVの2本立てで、北米復活を考えているのだといいます。
ただし、“横転問題”はスズキ社内でトラウマになっているとも言われており、あえて北米で復活するメリットがあるのかという疑問も浮かびます。
しかし、アメリカのメディアでこういった報道がなされるということは、それだけ現地の人々の熱い視線がジムニーに集まっている顕れと言えるでしょう。
一方オーストラリアでは、“純正ピックアップトラック”の販売に現実味があるようです。
オーストラリアでは、ジムニー、ジムニーXL共に長納期状態となっており、スズキ系の現地企業はこの人気の中でさらにバリエーションを増やしたいと考えているようです。
現地メディアによれば、スズキオーストラリアのゼネラルマネージャーであるマイケル・パチョタ氏は、「ジムニーピックアップは開発されているか?」というメディア側の質問に対して、「プロジェクトはまだ終わっていません」という含みを持たせた返答をしています。
オートサロンに出展されたピックアップトラックは、3ドアモデルのシャシをベースにしていたため、荷台が必ずしも実用的ではありませんでした。
しかし、5ドアが登場した今となっては、軽トラックなみの積載性を持つモデルの実現が可能になっています。
ピックアップトラックは、アジアや南米諸国での需要が望めるため、かつての「ジムニー1000ピックアップ(SJ40T)」のようなクルマになれば、世界でヒットしそうです。
スズキは世界でジムニーの生産能力を増強しているようですが、残念ながら日本ではその恩恵を十分に受けているとは言えません。
多くのユーザーが心待ちにしている5ドアモデル発売の情報が、一向に聞こえてこないからです。
すでに並行輸入車は日本でも販売されていますが、適正なプライスで買える5ドアモデルの一刻も早い発売を待ち望んでいるユーザーは多いのではないでしょうか。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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